「ご遠慮」「ご交誼」そのままで大丈夫?喪中はがきの「挨拶の文例/定型文」で注意したいこと
2014/10/09
喪中はがきのマナーはけっこう複雑
年賀状を出せないことを知らせるわけですから、喪中はがきは、先方が年賀状を用意する12月初旬までに届くように出すのが礼儀のようです。ということで、いそいそと喪中はがきを準備しております。
「喪に服する」=「服喪」の期間を「喪中」として年賀状を出さないのが一般的ですが、ひとそれぞれの考え方や捉え方、風習に依存する部分が大きいので、これといった決まりがなく、悩むことになる原因のひとつです。
ネットで調べても、言っていることは各自バラバラ。冷たいようですが、どれを正解とするかは自分で判断するしかありません。
- 誰が亡くなったときに出すものなのか?(一般的には二親等以内)
- 出す相手は知人、友人、仕事の関係者。親兄弟や常に交流のある親族には出さないことが多い
- 挨拶の文言に、故人の情報を入れるか、入れないかは、喪中はがきを家族で兼用するかなど状況しだい
- 享年の年齢は、満年齢(通常使われる年齢)ではなく、数え年を使うのが一般的
- 差出人を連名(家族全員など)で出す場合は、差出人の一人目の方から見た書き方をするのが通例
など、まあいろいろあって大変です。そのあたりは、マナー本や他サイトに詳しいのでここでは解説しません。
私が今回特にひっかかったのが以下の2点。ここは印刷会社が準備しているテンプレートや、定型文任せにせず、ちゃんと自分で考えて書くべきかなと思ったので記録しておきます。
文例/定型文任せにして大丈夫?喪中はがきの挨拶で注意すべきこと
冒頭の挨拶の違い
印刷業者の喪中はがきのテンプレートを見ると、だいたい以下の2パターンが「冒頭の挨拶」に多いです。
- 喪中につき年末年始のご挨拶を「ご遠慮申し上げます」
- 喪中につき年末年始のご挨拶を「失礼させていただきます」
「ご遠慮」にするか、「失礼」にするか。
これ、私は先方が「おまえなんかに、そもそも年賀状送るつもりなかったよ」となるのが嫌なので、偉そうな「ご遠慮」より、へりくだった「失礼」のほうがいいかなと思い、私は「失礼させていただきます」を選択しました。
【追記】コメント欄からご親切に、「故人の喪に服しているため、新年のご挨拶を失礼させて頂きます」という意味のため、「先方からの年賀状を断る必要はない」ので「失礼する」が正解との解説をいただきました。
ネットで調べると意見は分かれるところですが、「失礼させていただきます」の方が先方に失礼がない言い方だとは思います。定型文に頼らず、よく文章を精査してみてください。【追記おしまい】
文例/定型文で使われている言葉の意味を掘り下げてみる
冒頭の挨拶文に続く、よくある定型の文言の中に、聞き慣れない言葉がありましたので意味を調べつつ掘り下げてみます。
芳情(ほうじょう)
「ここに本年中の【ご芳情】を厚くお礼申し上げます」
芳情(ほうじょう):他人を敬って、その思いやりの心をいう語。芳志。芳心。(goo辞書より)
これは普通に使って問題なさそうです。
交誼(こうぎ)
「明年も一層の【ご交誼】の程お願い申し上げます」
交誼(こうぎ):友人としての親しいつきあい。よしみ。【補説】目上の人に対して用いると失礼にあたる。(goo辞書より)
喪中はがきの文例には、かなりの確率で入っている「ご交誼」。そもそも読み方と意味さえも、恥ずかしながらよく知りませんでした。
そして、補足説明にあるように「目上の人に対して用いると失礼にあたる」言葉でもあるようです。確かに「友人としての親しいつきあい」を「目上の人」に求めるのは間違っています。「はて、ではこれに変わる言葉はあるのか?」と思い、調べてもこの単語だけ差し替えるような適切な言葉は見つかりませんでした。
気になる場合は、挨拶ごと他の言い方に変えるなど、ごっそり入れ替えたほうが良さそうです。印刷屋に喪中はがきを依頼する場合は、この決まった文章を入れ替えるだけで別にお金かかったりもします。
今回の私の喪中はがきは「目上の人に対して」はほとんどないので、定型文のまま「ご交誼」を使用しました。いろいろ探したのですが、適切な挨拶の文例が見つからなかったので、「他の人も使っているからいいや」と横並びでこの言葉を使いました。
文例も鵜呑みにせずいったん疑ってみる
「交誼」もこれだけ一般的に使われているんだし、そのままでも問題ないのかもしれませんし、ダメかもしれません。どれが正解かと掘り下げ始めるとキリがないです。いろいろ考えたらわけわからなくなってしまい、ちょっと頭を抱えました。
提示されているまま何も考えずに定型文にそのまま乗っかるのは楽ですが、最終的に恥をかくのは自分と家族。
「本当にその文章で間違いないのか?問題はないのか?」と文例を疑って、確認を取った上で、送った方に失礼がないようしっかり自分の中で納得した喪中はがきを出したいものです。
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Comment
いつもこちらで色々と知識を深めさせて頂いております。ありがとうございます。
喪中はがきの冒頭の文章ですが、少し気になりましたので、初めてコメントさせて頂きます。
喪中はがきは、「故人の喪に服しているため、新年のご挨拶を失礼させて頂きます」という目的で送る(年賀欠礼状)、と聞いております。
すなわち、先方からの年賀状を断る必要は無い、ということです。
ですから、「遠慮申し上げる」はバツで、「失礼する」がマルです。
喪中はがきを頂いたら、その送り主に対して、大抵は年賀状を送りませんが、送ったからと言って失礼になるわけではないようです。
GOさん
コメントありがとうございます。ブログもご覧いただきありがとうございます。
確かにご指摘の通りです。印刷業者の定型文では「遠慮申し上げる」というパターンも多いようで、考えものですね。
該当部分、修正と追記致します。大変助かりました。ありがとうございました。
今後ともブログともども、宜しくお願い申し上げます。
加筆修正、恐縮です。
結構な歳になってからようやく授かった、現在4歳半の娘を持つパパです。
良質な記事を、色々と参考にさせて頂いております。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
GOさん
コメントわざわざありがとうございます。
お褒めのお言葉、恐れ入ります。これからもお役に立てますよう、ぼちぼちやってまいります。
こちらこそ、これからも宜しくお願い致します。