WiMAX2の3日3GB速度制限・解除ルールをわかりやすく整理しておく
2016/02/01
UQコミュニケーションが2015年4月から発動すると公式に発表していた、WiMAX2+で「3日3GB以上のデータ通信を行ったユーザー」への速度規制。
発表された形だけで、4月~5月と実際の制限は行われてきませんでしたが、2015年5月29日より速度制限が実施されています。
新生活シーズンでWiMAXの新規契約が多いであろう4月の規制開始を避け、5月も末になってから公式発表もなく黙って運用を始めるとは・・・とUQの黒い腹を探りたくなりますが、無情にも規制は開始されました。
UQから規制に関する概要は公表されているものの、今回の規制開始日や解除のルールなど細かいところは一切説明がありません。なので非常にわかりにくい。混乱をきたしています。
WiMAXの3日3GB速度制限ルールとは何なのか?
今現在わかっている範囲で、ルールの詳細をわかりやすく整理しておきます。
Photo: CheckingonSanta’sProgress by a4gpa
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UQの公式発表でわかっていたルールの概要
使い放題なのをいいことに大量のデータ通信を行って回線を占拠してしまう一部のユーザーに速度規制を行い、全てのユーザーに平等に回線を使ってもらおう、というのが今回の速度規制の目的のようです。
UQの公式サイトによると
ネットワーク混雑回避のため、前日までの直近3日間で「WiMAX 2+」「au 4G LTE」の通信量の合計が3GB以上となった場合、「WiMAX 2+」「au 4G LTE」の通信速度を翌日にかけて制限する場合があります。
これではよくわかない。2015年3月の時点で僕がUQのコールセンターに電話して聞いた3日3GBルールの概要は以下の通り。
- 前日までの3日間、3GB以上のデータ使用量で「速度制限」を実施する。
- 速度制限の開始は「2014年4月1日」から。
- 速度制限は「混雑状況」によって実施。
- 速度制限は「翌日の昼から24時間の制限」となる。
- 速度制限下の通信速度は「YouTubeがフリーズしない700Kbps」ほど。
「混雑状況によってやる」ということは「やる」かもしれないし「やらない」かもしれない。ここにまだ救いがあると多くのユーザーが期待していました。現実は違ったのですが・・・
速度規制実行に至る経緯を振り返る
photo credit: 246-You via photopin cc
WiMAX2+の3日3GB速度制限に至るまでの経緯は以下の通り。
当初は「3日1GB以上」のデータ通信量を超えたユーザーに対して、速度制限をかけるという話でした。2015年に入ってからの出来事を時系列で追ってみます。
【2015年1月15日】UQが記者会見で「3日3GB(※増えました)」のデータ通信量を超えたユーザーに対し、速度制限(帯域制限)を2015年4月1日から開始すると発表。その際、制限された速度について「動画が見られる700Kbpsは確保」と社長が発言。
参考 PC Watch「WiMAX 2+の3日/3GBでの速度制限について考える」
【2015年4月1日~】 予定していた4月1日を過ぎても、実際に3日3GB以上のデータ通信を行ったところで速度制限はかからずじまい。使い放題を売りに客を集めたのに、4月からいきなり3日1GBの速度制限を強行したSoftbankAirの横暴ぶりを尻目に、WiMAX2ユーザーは高速回線使い放題を謳歌する。
【2015年5月22日】 「5月末より3日3GBの速度制限の運用開始」との情報がPC Watchの記事によって初めて世に出る。この時点では「5月末」だけで具体的な開始日は不明。UQからの公式発表はなし。
参考 PC Watch「WiMAX2+の3日間3GB制限。えっ、まだ実施してなかったの?」
【2015年5月29日】 UQから公式発表がないまま、黙って3日3GBの速度制限がスタート。どういう条件で制限がかかるのか何一つ情報がないため、ユーザー大混乱。
【2015年6月上旬】 UQからの公式発表がなかったため、いきなり速度が低下し始めたユーザーが制限開始に徐々に気付き始めて大騒ぎに発展。しかも実質の制限があるのに「制限なしで使い放題」とうたった広告をそのまま使い続けるUQに対して「誇大広告」「詐欺」と怒り増幅。総務省や消費者庁に苦情を申し立てるなど炎上し始める。
【2015年6月中旬】 UQ公式サイトの注意書きが「制限する場合があります」から「制限します」へ知らぬ間に修正。また、公式サイトへ「混雑回避のための速度制限(3日間で3GB以上利用時)があります」と明記され、「制限なし!」とガチャピンがドヤ顔しているその下に「速度制限があります」と書いてある、わけのわからない状態に。これはユーザーからのクレームを受けた総務省が指摘し、UQがしぶしぶ対応したもよう。
【2015年7月2日】 解約金なしの無償解約や3日3GB制限撤廃を求めたユーザーが各省庁へ大量に訴え出し、署名活動やUQを相手に訴訟を起こす動きが始まる。誤解を招く広告を続けるUQの姿勢がヤフーニュースに掲載されるなど、だんだんと問題が一般市民の知るところとなり大炎上。
【2015年7月14日】 UQ公式サイトにて「広告表現の改善」と「3日3GB制限は継続するが制限時の速度アップ」を行うとの発表あり。即日対応で制限時の速度が1Mbpsから5Mbps程度に緩和。「UQが無償解約にも応じることも検討」と一歩踏み込んだNHKによる報道もあり。
【2015年7月中旬】 「広告表現の改善」の実行か、「顧客満足度NO.1」「顧客満足度ランキング三冠達成」などの煽り文句がUQ公式サイトから次々と消える。
【2015年7月23日】 UQ社長がラジオNIKKEIに出演。「広告の修正が大変」とか、寝ぼけた発言でユーザー感情の火に油を注ぐ。かなりの交渉が必要のようですが、一部で解約金なしの無償解約に応じ出したもよう。
【2015年12月4日】一部ユーザーによるUQを相手取った民事訴訟による裁判が開始。
速度規制開始で見えてきたルールの詳細
2015年4月1日開始と言われていたのに、実際に開始されたのは2015年5月29日から。
実際に速度制限ルールが適用されたことにより、ルールの詳細も見えてきました。ポイントをまとめると
- UQ本家、プロバイダに関わらず、条件に合致すれば一律に規制。
- 直近3日間のデータ通信で「3GB」を超えたユーザーには一律で制限をかける。3日で3.1GBでも30GBでも同じペナルティ。
- 混雑状況、エリア、時間帯なども一切考慮されない。判断基準は「3日3GB」だけ。
- 規制された通信速度は、5~6Mbps前後(7月14日までは1Mbps)。それぞれのユーザーの環境による。
- 通信規制時の通信も、データ通信量3GBに加算される。
- WiMAX2ではなく、WiMAXシングルの通信であれば規制は関係ない。
- 規制は昼開始、昼解除のもよう。だいたい13時くらい。
実際に制限を食らうと、ダウンロードもアップロードも5Mbps前後で張り付きます。規制開始当初の1Mbpsだとウェブブラウジングなどはちょっと読み込みが遅いくらい、動画視聴はさすがに無理でしたが、改善された5Mbpsだと動画視聴なども可能です。
あと、勘違いしがちな部分ではありますが、再度おさらいしておくと、3日間でダウンロード+アップロードのデータ通信量が3GBを超えると翌日から制限開始となります。
例えば、6月1日、2日、3日で3GBを超えたら、6月4日より制限開始。
その後1日ずつずれて累積データ量のジャッジが行われます。6月2日、3日、4日が3GB以内であれば、6月5日より解除。
使い方によっては延々と規制が続くということも考えられます。
6月1日の1日で3GBを使ってしまったら、6月2日、3日、4日は制限され、そこで一切通信しなければ、6月5日に解除。
制限がかかっていない日は、過去同様、高速回線が使い放題です。「制限覚悟だと4日に1日の周期で高速モバイルが使い放題になる回線」という解釈もできます。
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速度制限を回避する対策を考えてみる
あたりまえですが、「3日で3GB以上使わないように気をつける」
UQないし各プロバイダの管理画面からのデータ使用量の確認、通信量計測のアプリなどを使って気を払うしかありません。正直、疲れる。
あとは、制限にかかった場合はWiMAX2でなく、通信量に加算されない旧規格のWiMAXシングルを使う「ノーリミットモード通信」を行うという方法。
通信モードを「WiMAXシングルのみ」に固定できるルーターは限られており、「HWD15」と「NAD11」だけ。
現在主流のルーター「W01」はハナからWiMAXシングルが使えず、「WX01」においてはWiMAXシングル ⇔ WiMAX2の、ユーザー任意の切り替えが出来ません。
また、WiMAXシングルはWiMAX2へ周波数を割り当てるために停波に向かっており、現在下り最大40Mbpsから13.3Mbpsへ減速、エリアも狭くなる一方です。一時しのぎとしては良いですが、わざわざルーターを買い替えてまでやる意味のある有効な対策とは考えられません。
結論:うまく付き合うしかない
大量のデータ通信を行い回線を占拠する一部のユーザーを規制し、他ユーザーへの影響を軽減させるという今回の規制の目的は理解できます。ただ、ちょっと厳しすぎやしないかい?というのが本音。
まあ、速度制限による「実質の使用量制限」はあるのに「高速通信がたっぷり使える!」となにをもってたっぷりなのかユーザーを勘違いさせるような売り込み方をいまだ続けているUQはどうかと思う。
今回の規制開始で、WiMAXの売りだった「高速通信使い放題」は、ひとつの時代を終えました。
WiMAXに代わるモバイル通信があればそちらに移ることも検討しますが、使えるモバイル通信システムがない以上、文句を言ったところでどうこうなるものでもない。解約して出ていってくれと言われるのが関の山です。
なので、今後はこの3日3GBの速度制限とうまく付き合っていくしかありません。
データ量を食う動画視聴などは避け、テキスト中心の通信に絞る。他の通信回線へデータ通信の負荷分散をするなど、今まで「使い放題」だったところに余計な気を使わねばならなくなり不便ですが、諦めるしかないのが現状です。
ユーザーの声により、速度制限時の速度が緩和されたりとこの規制についてはまだまだ流動的なのが事実。
とりあえず僕は、いちユーザーとしてUQの動きを生暖かく見守りつつ、このまま3日3GB制限と共存しながらWiMAXを使い続けてまいります。
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Comment
最近初めてWIMAXを使いはじめ、早速回線制限にひっかかり悩んでいました。
色々参考にさせていただきました。
ここまで会社だけが都合のいい制限で、告知の仕方だとは知りませんでした。
「回線を使い過ぎる」は理解できるとしても、この対処方はユーザーに厳しすぎますね。
これを事前に知っていれば契約などしませんでした。
こういう記事があるお陰で助かる人が増えると思うので今後も頑張ってください!
(自分ももっと早く見ていれば…
匿名さん
コメントありがとうございます。
3日3GBの使用ラインだと動画がこれだけ一般的になったネットの現状だと一部ライトユーザーも余裕でひっかかるため、仰るとおりちょっと厳しすぎ、もうちょい幅を持たせてくれても良いのでは?とは思います。
お役に立てたのか立てていないのかわかりませんが、今後もがんばってまいります。
記事、参考になりました。ありがとうございます!
ユーザーの使い方はどうあれ、問題は詐欺まがいの販売方法ですよね。
“Wimax2+を契約してしまい困っているあなたのためのHP”
というHPをみて、なるほどと。
とりあえず総務省に苦情の電話をすることにしました。
皆さんで具体的なアクションを起こせば、UQ側の対応も少しは変わるかもしれませんね。
しんちゃんさん
コメントありがとうございます。お役に立てましたようでなによりです。
きちんとUQがわかりやすく説明する責任を果たして、結果的に騙されてしまうようなユーザーがでなければいいだけの話なんですけどね。
覚悟した上で契約したものの、実際に制限されると何とも言えない気持ちになってしまいます。
とはいえ他にいい回線がないので、しばらくは3日3G制限に気をつけながら使用していくつもりです。
別に220Mbpsでなくても、ある程度の速度が出て使い放題なら嬉しいのですがやはり難しいのでしょうね・・・。
通りすがりのWiMAXユーザさん
コメントありがとうございます。
確かに仰るとおりで、220Mbpsもいらないから5~10Mbpsで使い放題なら文句はありません。ということはWiMAX2でなくWiMAXシングルのままでよかったじゃんという話になります。UQも何がしたいのか、よくわかりませんね。
正直なところ制限をかけるのは必要なことだとは思いますが、3日3Gではなく月30Gにして欲しい。
これなら一部のユーザーもつぶせるし、ライトユーザーなら制限に引っかかることなく使えるはず。
匿名さん
コメントありがとうございます。
確かに制限は必要悪で、制限については容認せざるをえないところはあります。
ただ、ライトユーザーも巻き込まれてしまう現状に、ボーダーラインの引き方をUQはミスったんだと解釈しています。
初めまして!WiMAX2+制限問題をいろいろ検索してたらこのブログにヒットして、興味深くなったので、失礼ながらブクマさせていただきました(*^^*)
一連の制限問題、私も既出コメントされてる皆様と同意見ですね
3年くらい前は、YouTubeなんかの動画はたまに見る程度それならいまの3日制限でもよかったんですよね~
だけどYouTubeも当たり前、Huluかど映像コンテンツ、MMORPGやギガクラスの容量多いゲームコンテンツが増え始めている以上
いまのWiMAXは厳しいですね!(^。^;)
ワイ、マックスやでさん
コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、確かに数年前ならこの制限でも乗り越えられましたが、現状ではなかなか厳しいものとなっています。
系列の動画サービスを推奨しているわりには厳しい制限を食らわせたりとUQの矛盾を感じますが、逆に映像コンテンツなどギガの通信を行うユーザーは来るなって暗に言われているような気もします。じゃあ「ギガ放題」って名称もやめてよって話ですが。
モバイルで使い放題というひとつの時代の終焉を感じます。
通信制限かかるときついですね。
私は公表通りの通信制限がかかっているか疑問です。
シルバーウイークに9/20に1日で3Gごえの通信をして午後からMAX2の電波の入らない所に9/23夕方まで行っていました。
帰宅後ネット接続がほぼできない状態でもしや通信制限かと思ったのですが、PCでもネット接続がほぼタイムアウトになる状態が9/25まで続きました。
9/25の夕方は通常に戻ったようです。
WX01の端末はアンテナ3本~4本、PCからの管理画面はストレスなく繋がることから外部要因ではなく回線速度か端末の故障だと思ったのですが、通信制限がかかってもさすがにブラウザがタイムアウトはありえないと思います。
端末の初期化とかしてもかわらず放置してて自然に復旧したのですから端末の故障でもないと思います。
考えられる事は1Mよりも遅い規制がかかったとしか思えない状況でした。
BROADWIMAXのサポートに連絡しても2,3日様子をみてくれの一点張りで拉致があかない状態でどうしたものかと思うのですが私だけたまたまこの状態になっただけなのかな
匿名さん
コメントありがとうございます。
僕の手元ではそういった症状は出たことがなく、順当に制限がかかり、一般で言われている制限値で張り付く感じなので、参考になるレポートありがとうございました。
ちょっと疑問?があり記載させて頂きます
利用規約には
3日3Gの制限についての記載は
【WiMAX2+方式:通信速度を翌日にかけて制限する場合があります】
10/1利用規約改訂では
【WiMAX2+方式:通信速度を翌日にかけて制限します】
になっています
また利用規約には
【当社は本サービス及び本規約を予告なく改訂、追加、変更、廃止する
ことができるものとします】
↑
調べました。とある弁護士さんのサイトに以下の様な記載があります
【利用規約に「利用規約の変更があった場合には予め承諾する」と
規定されていますが基本的には効力のない条項】
企業からの一方的な改訂は効力がないらしいです
でこちら様のサイトを見ました
【QUは2015年5月29日に3日3G制限を開始】
ここで疑問なのですが
私は2015年6月20日に契約を行っています
この場合
【WiMAX2+方式:通信速度を翌日にかけて制限する場合があります】
これじゃおかしいと私は思います
私との契約した時点で3日3G制限が、かかっています
【場合】じゃ駄目では??
匿名さん
おっしゃるとおりおかしいとは思います。
契約内容にご不満があるならこの論理で解約手数料なしの解約の交渉へ持っていかれるのがよろしいかと存じます。