婚約指輪はどう探したらいいの？エンゲージリングを20軒以上探し回ってわかったことをこれからプロポーズする男性陣に全部残しておく。

5年前の春先、日本で一番宝石店が密集する街「銀座」を駆けずり回って婚約指輪（エンゲージリング）を探していました。誰にも相談せずに、納得できる結婚指輪を手に入れるべく、20軒以上のお店をひとりで黙々と回っていました。

あれから5年。今、まさに婚約指輪を探している男性へ向けて自分の経験と反省から

• 効率的な婚約指輪の探し方。
• 婚約指輪を売るとは、どういう商売なのか。
• 5年後の婚約指輪はどう使われているのか。
• 今、婚約指輪を買うとしたら自分はどうするか。

を、お伝えしたいと思います。

これから婚約指輪（エンゲージリング）を購入してプロポーズしようとしている。プロポースしたけど婚約指輪をどこでどう買えばいいのかまったくわからない。いろいろ見すぎてしまいわけわかんなくなって頭をかかえて発狂寸前。

そんな男性陣に向け、全力で書きます。

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5年前、僕はどうやって婚約指輪を探したか

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このブログをよく読んでいただいている方はなんとなくわかっていただけているかと思いますが、初めての方に簡単に僕の性格をご説明しますと

• 凝り性
• 頑固
• 貧乏性

だいたいこんな感じ。

モノには凝りに凝りますし、自分が納得しない限りモノは買わない頑固さをゴリゴリに発揮。そしてお金には細かく貧乏性。そんな性格を前面に押し出しての婚約指輪探し。

うまくいくわけがない。

今振り返ると、超非効率な探し方をしていました。

ゼクシィ購入→ 宝石店に資料請求→ 宝石店に突撃→ どうしていいのかまったくわかんない→ わかんないからさらに宝石店のはしご→ 完全にどれがいいのかもうわけわからん！誰か代わりに選んでくれ！とパニック。

世の男性ほとんどだと思いますが、ダイヤなんて、1ミリも興味ありません。いくら未来の奥さんのためとはいえ、高額な金額といい、非現実的でわけわからなすぎてパニックになります。

僕もひとりで頭を抱えて、げんなりでした。探している最中、痩せたと思う。

僕のようにげんなりしないよう、後々「こうすりゃよかったな」と思った反省点をひとつづつ振り返ります。

資料請求はあんまり意味がない

持ち運ぶだけで腕が骨折するんじゃないかという、厚さと重さの首都圏版ゼクシィを「毎号」買い、熟読。片っ端から宝石店に全部資料を請求。

送られてきた資料が、マンションのポストから溢れかえって、管理人さんに怒られました。

ここから学んだこと

• 中身は毎号ほとんど同じなのでゼクシィは1回買えばもういい。お腹いっぱい。
• 資料請求したところで資料に大した情報はない。それぞれのお店のWebサイト以上の情報はない。ゴミになるだけ。

店巡りは、すればいいってもんじゃない

僕はゼクシィに掲載されている東京の銀座の有名店はほぼ全部回りました。

2時間刻みに予約し、休みの日は朝から晩まで宝石店のはしご。

仕事が早く終わり、時間があれば違う店に突撃。あとは宝石問屋街の東京、御徒町のお店も片っ端から回った。

「一生ものに命かけてんだ。こっちは、騙されないぞ」というオーラを前面に出し、まあまあ喧嘩腰で店員さんに対峙してました。めんどくさい客だ。

店頭で店員さんに受ける、ダイヤモンドの4Cとカットの話はどこも同じです。

結局わかったのは「売っているダイヤモンドはどこも同じ」ということ。同じものをあれこれ差別化して客に売りつける、不思議な商売なのです。よくよく考えると差別化でもなんでもないです。詳しくは下で解説します。

自分のフィーリングに合ったお店を、足を使って探すのではなく、事前にネットなどでぎゅーっと絞り込んだ方が効率的にゴールにたどり着けます。

ここから学んだこと

• 商品はどこ行っても同じ。デザインも大差ない。結局はフィーリングとインスピレーションで選ぶもの。
• 土地、家賃が高いエリアの店は、コストが全部商品の価格に乗っかっているということを理解する。

周囲に最近婚約指輪を買った人はいないか？

僕は誰ひとりに相談することなく、ひとりで闇雲に婚約指輪を探していました。

会社の上司、先輩、同僚、友人、兄弟、親戚。

近くに婚約指輪を購入したことがある人はいませんか？

それぞれ違ったポイントで苦労しているので、体験談は貴重です。結婚式もそうですが、この手の体験談は周囲に相談すると「俺の時はこうしたよ、ああしたよ」と百人百様の話が出てきて話が止まらなくなります。

特に上司や先輩あたりは「俺を頼ってくるなんぞ、かわゆいやつよ」と嬉々として教えてくれるはずです。

ここから学んだこと

• この手の話は、人生の先輩に素直に教えを乞うほうがいい。

宝石店の商売を理解する

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20軒以上宝石店を回った結果、悟りました。

婚約指輪商法は、いかに客に幻想を抱かせるかの商売。ダイヤモンドはどこも同じ商品で変化がない。「そこに幻想、差別化など何を付け加えるか」にお店側は苦心していることに。

ダイヤに違いはない

いいですか、まずダイヤモンドというモノ自体に差はありません。カットや質に差はあれど、それ以上はありません。「上質」なんてアピール、もう質が4Cでランク付けされているんだから上質もへったくれもない。

「バージンダイヤだ」「まだ誰の手にも渡ったことがないダイヤだ」と言い切る販売店がありますが、どうやって判断するのでしょう。ダイヤモンドは新品と中古を見分ける方法がありません。そんなの根拠も証拠もありません。嘘を言ってもわかりません。

また、内戦地域から産出した「紛争ダイヤじゃない」という販売店もあります。それもどうやって判断するのだろう。紛争がどうこう、そんなこと日本でダイヤを必死に探している男性には関係のない話です。

マジメに聞くだけムダ。

台座（リング台）は金属の価値以上はない

指輪の部分はプラチナといった金属素材以上の価値はありません。

そこにデザイン料、ブランド料、お店の家賃や人件費などが上乗せされるわけです。いろいろお店を見てもどこのデザインも似たり寄ったりで、はっきり言えば「どこで買っても同じ」です。

既成品のサイズ調整は強度が劣るなどといって、オーダーを売りにしているところも多いですが、別に切って繋げて短くしたところでいきなりポロッと壊れるようなことはありえません。

カットや4Cは、ほどほどあればいい

いろいろ見た結果わかりました。ダイヤモンドに必要なのは「バランス」です。どこかが突出していても意味がない。

完璧なダイヤを求めたい気持ちもわかりますが、突き詰めすぎるとお金がどれだけあっても足りません。どこかで妥協しないと。

質の違いは、販売店で多くのダイヤを横に並べて見比べると「なんとなく言われてみれば」というレベルです。恥ずかしながら、僕は「わかったふり」をし続けていました。それくらい微々たる違いです。

ダイヤを買ってしまえばそのダイヤと他のダイヤを見比べることは一生ありません。見比べるのなんてお店だけ。

家電量販店でテレビを買うときに「あっちの映像がきれいだ」「こっちのほうが映りがいい」と言っているのと同じです。1台買ってしまえば、自宅で毎日見るのはそのテレビだけ。

買った婚約指輪をじっくり見て「黄色みががっているから安物だ」と指摘してくる周囲の人なんていません。一般の人で4Cを完璧に言い当てる人がいたら会ってみたい。だから質がどうこうそんなにこだわる必要はないのです。

また、お店で売りとして連呼される「ハートアンドキューピッド」も台座に留めてしまえば一生見ることはありません。裏側からしか見えないから。

くくっ。この事実に気付いた時は衝撃でした。お店であんなに散々スコープで見せられたのに。そうそう、スコープでダイヤを見ることも店頭だけ。一生に一度です。

4Cやカット、あれだけこだわって悩みに悩んだポイントも、5年後の今、僕は（たぶん妻も）4Cが何を指すのか完全に忘れてます。

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結局、僕はどうしたのか

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お店でいきなり店員さんが「実は株主さまのためにご用意していた特別なダイヤを、今回はお客様だけにお出しします！」と茶番劇を繰り広げてくることがあります。この「今日はお客様だけ特別に」のパターンは、あちらこちらで食らいます。

人生で初めてのダイヤモンドに舞い上がってる男性は周囲があんまり見えなくなっていますので注意。冷静に「けっ」と腹の中で毒づきましょう。

僕の、未来の奥さんになる彼女の笑顔が見たいがための奔走は、婚約指輪をあの手この手で売りつけようとする業界の裏側がどんどん見え、結婚指輪探しにほとほと嫌気がさしてしまうという悪循環へ。

買うのやめようかな。

で、僕は黙っていきなり渡そうと思っていた婚約指輪を「これこれこういう経緯で店はいっぱい回ったんだけど、もうわけわかんなくなっちゃいました。ごめんなさい、一緒に選んでください」と彼女に頼みました。

予算もぶっちゃけて言いました。40万円。

そして、自分が気に入って「ここで買いたいな」というお店を3軒くらいリストアップ。ふたりで1日かけて回って、いろいろ話し合って、最終的には、東京御徒町の宝石問屋街の信頼できるお店にお願いすることにしました。

デザインは僕がイメージしていたのと彼女のイメージがマッチして、一粒ダイヤ。

ちなみに、御徒町は宝石の卸問屋がいっぱいあって小売りもしており、安いです。同じ予算で、銀座で買うより倍の大きさのダイヤが買えます。

裏に刻印されるカルティエやティファニーといったブランド名に興味がなく、これで十分というのは僕も彼女も同じ価値観だったので助かったところもあります。台座も銀座と変わらずに、きちんと種類があります。

「この高級ブランドじゃなきゃ嫌！」という女性に婚約指輪をあげたい人や、いっぱいダイヤがついた指輪が好みの場合は、また別のパターンになるとは思います。

僕の場合では、ブランド代や台座のデザイン代などにお金が行かなかったので、同じ予算でもダイヤ自体に予算を注力でき、大きなダイヤを買うことができました。

5年後の今、婚約指輪はどうなっているか

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婚約指輪は、しまわれたままです。

婚約期間中はよくつけていましたが、結婚後の出番は、年に1回あるかないかの招待された結婚式の時につけていくくらいです。

あんなダイヤの指輪つけて子育てできませんし、そんなものです。あれだけ躍起になって探した婚約指輪ですが、どこのうちもだいたい同じパターンじゃないでしょうか。

夢のない話ですが、これが現実です。

僕が今、婚約指輪を買う立場ならどうするか

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もう一生婚約指輪買うことはないのですが（たぶん）、僕が今、婚約指輪を買う立場だったらどうするか？

この5年後の婚約指輪の使われ方を見た上で、勝手にシミュレーションしてみます。

ダイヤの質を落としてとにかくでかいやつ

上にも書きましたが、他のダイヤと比較するのは店頭だけ。買ってしまえば、他のダイヤと見比べる機会は一度もありません。

婚約期間中などで、女性は婚約指輪を、言い方は悪いですが「見せびらかす」機会もあるかと思います。そういう時に、ダイヤの輝きや質がどうこう、周囲が見たってまったくわかりません。

誰でもわかるポイントはひとつだけ。

「大きさ」です。

これは間違いない。あとは「ブランド」もありますが、裏の刻印が見えるわけでもなし、それは周囲がブランド志向かどうかの人種によります。

今の僕なら、質は最低限自分が納得できるところとし、それ以上は追わない。そして予算をつっこめるだけつっこんでとにかく「大きい」ダイヤをとことん追求します。

これは5年前にも実践しましたが、この選択は間違っていなかったと思う。もっと質を落としてさらに大きさを追求しても良かったと思っています。

こんなサプライズをしたい

ちょっと妄想が膨らんできちゃったので、ついでに書いておきます。既婚者の戯言を、誰か実践してくれたら嬉しい。

「やっぱりサプライズで婚約指輪をあげたかった」とは、今でも思います。

結婚指輪探しで自分で自分を追い込んでしまって疲れてしまい、ふたりで探すことになり、結果的には僕も妻も気に入ったものが買えたので良かったですが、男でもサプライズには憧れがあります。

今、もう一回できるなら、ロマンチストっぷり全開で僕はこうします。

まず、どこかの彫金教室で自分で台座（リング台）を手作り。

で、御徒町の卸問屋のお店で「ダイヤモンド」だけを購入。そう、僕もダイヤだけで売ってくれるお店があることを知らなかった。ダイヤだけ売ってくれるのです。

自作の台座にダイヤを留めるのは素人では心配なので、工賃を払ってプロにお願いする。

それをサプライズで渡す。

このプラン、どうでしょう？

台座のデザインは好みがかなり分かれます。後日、台座はきちんとしたもの、好きなデザインのものを彼女に選んでもらい購入。素人作の台座では不安なので、きちんとダイヤを載せ替えます。

婚約指輪でないものという選択肢も

どうせしまわれるくらいなら同じ値段を出して、ロレックスかカルティエの腕時計をあげるという選択肢も今なら考えます。

高級時計はオーバーホールのメンテナンス代（5～6年に1回、料金は5万円くらい）が定期的にかかるけど、一生ものです。

同じお金を払って使われないのであれば、日常で使えるものを。そう考えると流行り廃りに影響されなさそうなシンプルな腕時計なんてどうかなと思います。

ただ、婚約指輪は「女性の憧れ」

それを無視してはいけないので「時計にしたいんだけどどうだろう？」とお伺いを立てつつ、です。

納得できるものが買えるといいですね

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お住まいの環境や予算、彼女の夢や希望、いろいろなものが複雑に絡んできます。婚約指輪購入は一筋縄にはいかないと思いますが、婚約指輪に対する自分の経験と今思うことを長々と書かせてもらいました。

宝石店の思うがままのいいカモになるのではなく、きちんと傾向と対策を持って、納得した婚約指輪が購入できたら素敵ですよね。

婚約指輪って「縁起物だから値切ってはいけない」と僕は思っていましたが、友人は「婚約指輪？余裕で値切った。安くなったよあはは」と言ってました。なんだか思い込みであれこれ自らを縛っていたようですが、そんなもんらしいです。落ち着いて、気楽に、気楽に・・・

現在、あげた婚約指輪が使われていないことに関しては「そうだよねー出番ないよねー」と淡々と納得しています。ひとまずいろんな役目は終えていますし、またいつか出番があるかな、あったらいいな、息子にはやんねーぞ、おまえは自分で稼いで買え、という感じです。

きちんとした婚約指輪をあげることにより、彼女の笑顔も見られますし、「こいつに嫁がせて大丈夫なんだろうか？」という先方の不安な親御さんの安心材料になるでしょう。きちんと男としてのけじめを見せることで、周囲を納得させられるんではないでしょうか。

僕の妹が結婚するときは、旦那になる人が自分の母親の婚約指輪を譲ってもらい、リメイクして妹に渡してました。「こんなやり方もあるんだね」と否定も肯定もしませんが、花嫁の父である僕の父親は内心複雑だったんじゃないでしょうか。兄の僕でさえ、なんだかモヤモヤとした気持ちだったので。

婚約指輪をあげないという人もいるようですが、僕は古くさい考え方なので、結婚への重要なプロセスだと考えています。ちゃんと調べて、準備して、納得して買えたし、あげてよかったと思っています。

これを読んでくれている今婚約指輪を探している男性の、結婚へのまず第一歩「婚約指輪の準備」が、うまくいくことを心の底から祈っています。

参考　ゼクシィ「知って得する！上手な指輪ショップめぐりの秘訣」