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絵本「地獄」を読む~アマゾンの絵本ランキングになぜ入っているのかを紐解く

      2014/11/18

1784年に江戸の絵師によって書かれた絵巻の地獄絵を元に構成された絵本「地獄」

子ども向けの和気あいあいとした絵本が並ぶ、アマゾンの2013年絵本売上げランキング。そこの23位になぜかこのおどろおどろしい絵本がどーんと鎮座しており。「なにこの絵本?」と気になったので図書館で探し出してみた。

この絵本について事前に調べたところ、2011年に「子どものしつけに効果がある」と人気漫画家が漫画でこの絵本を取り上げて、ブームになったのだそう。<参照>日経トレンディネット:32年前に発売した“地獄の絵本”がいま爆発的な売れ行き

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絵本「地獄」のコンセプト

この本の中の地獄絵は、千葉県安房郡三芳村延命寺に所蔵されている十六幅の絵巻をもとに構成されたものです。

(中略)私達は、これを見る子供らが、「死ぬことはこわいことだ」ということを強く心に刻むであろうと、それを主題に絵本づくりを思いたちました。

そう。絵本の中身の一連の地獄絵は「死ぬと恐ろしい」ということを前面に示していますが、読み進めるうちに「生きることへの執着」がものすごく強調され浮かび上がってきます。と思ったら、発行者のコメントにもそう書いてあった。

昔の人が医学の未発達のそのころ、地獄絵を子供らに見せ、死の怖れを語り、行動への自制そ求め、生への執着を強めて子孫の持続を計ろうとした。と考えると、この絵図はその時代の人が生んだ大いなる叡智の一つといえます。

 

絵本「地獄」を実際読んでみる

絵本地獄

大人でもちょっとぎょっとするの地獄絵の数々。子どもには刺激的なはずです。

2歳の息子は表紙を見せただけで逃げていき、ちょっと早かったかと引っ込めました。幼稚園から小学生くらいには伝わるものがある絵本かと思います。

火の車地獄

ほかの人のはなしを、さいごまできちんときかずにじぶんかってなふるまいをするものは、火の車で地獄じゅうをひきまわされる

竜の口地獄

ほかの人のしんせつにかんしゃせずに、すなおに、ありがたいとおもわないものは、竜の口にとじこめられる

地獄絵とその地獄の説明は、大人の自分も胸に手を当てて考えると「地獄に行かない」と自信を持って言えなかったりします。なかなか示唆に富む内容で、多感な子どもならなおさら、いろんなきっかけとなるでしょう。

「子どもを脅してしつけをする本とはけしからん」だという意見もあるようですが、それはこの絵本の本質を理解していないと自ら告白しているようなもの。上っ面な安っぽい意見です。

「こどもたちよ、いのちをそまつにするなよ!」

この絵本の絵と強烈なメッセージは、力強く心に響く。脅しているのではない、問いているのです。考えさせているのです。

「死とは、生とは」

「日々の自分の行いは正しいものなのか」

「いのちは粗末にしていないか」

それを200年以上も前の絵巻から学ぶというのも、人間の根本が変わっていないことの表れ。子どもでも大人でも「生と死について考える」自問自答を強制的にさせてしまう、この絵の力とメッセージはハンパない。

200年前の絵巻を呼び覚まし、30年前にこの絵本を企画、文章付けをさせたのは、現代の「死の希薄化」。「時代がそうさせたのだ」この絵本の誕生と存在は必然とさえ思わされます。

軽い気持ちで手に取った絵本に、いきなり「生と死」を「どーん」と突きつけられる。この「地獄」という絵本、あなどれません。

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