子供の誤飲事故はどういうパターンが多いのか?厚生労働省の報告から学ぶ
あたりまえだけど、我が子は親が守らないと。
普段のほほんと暮らしていると「そんなこと起こらないでしょう」って楽観しがちだけど、子どもの身の回りの危険について危機感を抱くのはやはり実際の「事故例」が一番インパクトが大きい。
厚生労働省が「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」という報告書を出しました。
参考 厚生労働省 平成25年度 家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告
この中に「家庭用品等に係る小児の誤飲事故に関する報告」という項目がある。
「ここ、重要なことがいろいろ書いてあるから読んでみてね」とURL書いておくだけじゃたぶん見てくれないと思うので(自分もそんなのまず見ない)、一緒にどういう事故が起きてるのか押さえておきましょ、というエントリー。
photo credit: 20131208-IMG_4134 via photopin (license)
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実際にどんな誤飲事故が起きているのか?
いつだったか忘れてしまったくらいだけど、1歳の時にうちの息子も誤飲騒ぎやってます。
息子の洋服のボタンが取れたようでいくら周囲を探しても見当たらず「飲んだ?」「まじで!」と妻と大騒ぎしました。その時は、部屋の隅から見つかったのですが。
無意識なんでしょうな。3歳の今でも折り紙を噛んでみたり、レゴブロックを口の中に入れて遊んでみたりで、僕や妻に怒られてます。なんかいいダシでも出るのかい。
今回、厚生労働省が出した2013年度の報告書には、指定する9病院の小児科が対応した誤飲事故が集計されています。
読み進めると、稀な事例ではなくどの子育て家庭でも起こりうる可能性はあるよなあと感じる。
この報告書に掲載されている誤飲事故のポイントをまとめると
- 子どもの誤飲事故は、年間で531件発生。前年度は385件だから1.37倍に増加。
- うち医薬品・医薬部外品の誤飲が、96件(18%)。調査が始まった1979年以降、タバコがずっと1位だったが2013年に初めて医薬品・医薬部外品が1位となった。
- 誤飲した年齢は、6~11ヶ月が最も多く147件、次いで1歳前半が130件、1歳後半が63件、2歳が82件。男女比は、男児が56.5%、女児が43.5%。
- 死亡した事例は0件(前年度も0件)だが、入院・転科・転院した事例が30件(前年度23件)あり。
誤飲の品目は多い順に
1位:医薬品・医薬部外品/96件
2位:たばこ/94件
3位:プラスチック製品/60件
4位:おもちゃ/51件
5位:硬貨/25件
6位:電池/20件
7位:食品類/19件
8位:化粧品/17件
9位:洗剤類/16件
です。
成人の喫煙率自体が減少しているので、たばこを抜いて医薬品の誤飲が1位になったというのは時代の流れかなとも思います。
で、誤飲事故発生年齢は、0歳後半~1歳台までが全体の64%、2歳いっぱいまで入れると79%にもなります。
自分で手がのばせるようになったり、手先が使えて蓋や包装の開封ができるようになる。でもって好奇心旺盛で、親が言い聞かせても理解できないこの年齢は、誤飲の「魔の年齢」とも言えるのかなと。
しかし男児のほうが女児より誤飲が多いって、なんというか男はアホや・・・
事故例も多く掲載されています。
- 母親が目を離したすきに、タンスの上の精神神経用薬、抗てんかん薬をお菓子と間違えて、居間で誤飲し、悪心・嘔吐、意識障害を発症した。 (医薬品;3歳2か月 男児)
- 風呂に入っていたときにスーパーボール(ゴム製)で遊んでいて、むせ込んだ。深夜に1回嘔吐があった。 (玩具;11 か月 男児)
- 入浴中、シャボン玉を作って遊んでいたところ、誤って容器に入っている半分の量の原液を飲んでしまい、悪心・嘔吐を発現した。(化粧品(石けん);2歳11か月 男児)
- 夕食に高野豆腐を喉につまらせ、咳が出せず、顔面紅潮し、逆さにして吐かせたが、その後、喉がごろごろしている。嘔吐もして苦しそうなので、逆さにし背中を叩いた。(食品;1歳10か月 男児)
ほんの一例ですが、どれも身近で十分起こりうる可能性がある誤飲事故です。
薬やその他、誤飲の危険があるものは子どもの手に届かないところで厳重に管理する。おもちゃの対象年齢をきちんと確認して与える。食品の形状にまで注意を払う。などなど。
誤飲事故は親の目と想像が行き届かぬところで起きます。子どもが危険なことにならないように事前策を取るべし、と親が気を引き締めないといけません。
事例から学んで危険要因を取り除く
ボタン電池も消化器官に穴が開くリスクがあるので、誤飲した場合は即病院へ、です。
関連記事 ボタン電池の誤飲に注意!1時間で食道や胃に穴が簡単に開く危険性をご存知ですか?
病院にかかるような事故までいかなくてもヒヤリハッとは大なり小なりどこの家でもあるのかもしれません。
親の想像を超えたところで子どもの事故は起きるもの。
「まさか」「よもや」の事態を迎えてからでは遅い。親の想像力の至らぬ部分はこういった実際の事例も参考に、どういうパターンで何を飲んで誤飲が起こっているのか?を把握し、家の中の危険要因を事前にきちんと排除しておきたいものですよね。勉強になりました。
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