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子供の歯並びは「遺伝」が3割。あとは何で決まるのか?

      2015/01/31

子どもの歯並びは遺伝3が3割 (2)

歯並びの悪い私ごとではございますが、ただいま矯正歯科行脚をしてまして、どこか腕のいいところないかな?と探しております。

見積りで総額90万円、3年以上かかる大事業なため、疑り深い性格を隠すことなく存分に発揮してあちこちに話を聞きに行ってます。いいかげんな歯医者もけっこういて、よくこんなんで商売成り立つな、ブログのネタにならんかな、と思ったりしてますがそれはまた別の機会に。

さて、そんなここ数ヶ月の趣味となっている矯正歯科めぐり。

歯科医との会話の中で、必ず質問しているのが「我が子への歯並びの遺伝」について。「自分と同じように歯並びが悪くなったら苦労するよなあ」と、親バカは永久歯も生えていない息子の将来をすでに心配しています。実はこの心配は間違っておらず、もっと心配しないといけなかったのですが・・・

「歯並びの悪さは子どもに遺伝するのか?」

「子どもの歯列矯正はどの時期、何歳で考えるべきか?」

複数の矯正歯科医に直接聞いてみた結果と、そこから学んだ、遺伝よりもっと親が気にしなきゃいけない大事なポイントをお伝えするエントリーです。

photo credit: Niklas via photopin cc

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なぜ歯並びが悪いと困るのか?

子どもの歯並びは遺伝3が3割 (1)

photo credit: nicola.albertini via photopin cc

そもそも論ですが、なぜ歯並びが悪いと困るのか。簡単にまとめると

  1. 発音が悪くなる。
  2. 歯ブラシがきちんと届かず、虫歯や歯周病になりやすい。
  3. 歯周病がひどければ歯は40~50代で抜け、歯並びが悪いので入れ歯も入らない。
  4. モノが噛みにくく、消化不良で胃腸への負担や、よく噛めないので脳の血流への影響あり。
  5. 噛む力が一定ではなく顎へ負担がかかり、顎関節症や顎の成長への影響もあり。
  6. 歯が飛び出ていると顔の見た目も悪いし、口や顔自体が歪むことがある。
  7. 歯が飛び出ていると口の中や歯茎を傷つけることもある。
  8. 歯並びを気にすることで笑えないなどコンプレックスとなる。
  9. 噛み合わせの悪さは身体全体のバランスの問題や、姿勢の悪さ、頭痛などの原因にも。

村田歯科横浜矯正センターのサイトを参考に自分で聞いた内容も加えて整理

軽く考えがちですが、意外と歯並びって重要です。

「たちつてと」をきちんと言えてないって歯科医に指摘されましたし、上に並ぶリスクを聞いても歯並びの悪い僕としては「確かに」と「これからそうなるかもね」って言うしかないんですが、背負わなくていいのであればこんなもの背負わないに越したことありません。

 

歯並びは子どもに遺伝するのか?

「歯並びは子どもに遺伝するものなのでしょうか?」

この質問をすると、どの矯正歯科医も同じ回答をします。ほぼ定型文。

「子どもの歯並びを決定付けるものは、【遺伝】と【環境】の2つの要素がある」

 

要素1:遺伝とは?

この場合の「遺伝」は、DNAを親からそっくりそのまま引き継ぐみたいなイメージとはちょっと違う。

顔の骨格、骨の大きさや骨の位置、歯や舌の位置や大きさなどが子どもに遺伝することで、それぞれが複雑にからまって、最終的に両親や祖父母と似た「歯並び」になってしまった。イコール「遺伝」と判断されます。

親が出っ歯だったら子どもが出っ歯になるかといったら「100%必ずしもそうなる」という話ではない。結果的に歯が生えそろって比べてみたら「ああ、出っ歯になっちゃったね、遺伝だね」という「結果論」みたいです。

矯正歯科のキャリア35年のベテランの先生に「子どもの歯並びを決定づける要素のうち、親からの【遺伝】はどのくらいの割合ですか?」とつっこんで質問したところ、「感覚になるけど」との前置きの上、「遺伝はだいたい3割くらいだね」と回答をもらいました。

この話から、実はもうひとつのポイント【環境】が、子どもの歯並びを決める要素としての大部分7割を占めており、軽視できないことがわかります。

両親の超優良な歯並びの遺伝的要素を受け継いだとしても、その子どもの歯並びが【環境】しだいでガタガタになる可能性がおおいにある。

 

要素2:環境とは?

環境とは、「生活習慣」や「家庭における歯並びに対する考え方」を指します。

 

生活習慣

子どもの歯並びは遺伝3が3割 (3)

photo credit: Muffet via photopin cc

「生活習慣」とは、具体的に言うと「子どもの食生活」「日々の姿勢や癖」「虫歯の影響」のことです。そしてこの「生活習慣」の部分で、子どもの歯並びの7割が決まる。

甘いものばかり食べている、固いものを食べないといった食生活が、歯並びの悪さの原因になるのは想像しやすいです。

姿勢や癖って何?それと虫歯による悪影響の事例で聞いたパターンをまとめてみます。

  • 舌を出したり唇を舐め続ける癖で舌が前歯を押し出してしまう。
  • 唇を内側に入れる癖(リップ塗ったあとにやるやつね)で前歯が口の内側へ押し込まれる。
  • 口呼吸ばかりすることで舌の位置がおかしくなり、歯並びへ影響。
  • 指しゃぶりで歯の位置や噛み合わせがずれる。
  • 右奥や左奥だけ、といった片方ばかりで噛んでいると骨格に影響が出て歯並びにも。
  • 頬杖をいつもつく癖により、顎の骨格が歪んで歯並びに悪影響。
  • うつ伏せや横向きの寝る姿勢で、床や腕が顎や頬といった口周りを圧迫して骨格がおかしくなり歯並びも。
  • 虫歯のひどい乳歯を抜歯したことで、歯の間隔がずれてその後に生えてきた永久歯の歯並びもガタガタに。

体育座りで膝に顎を乗せ続けたら噛み合わせがおかしくなるよ、ってのも先生が言ってました。

参考 NHK生活情報ブログ「子どもの歯並び 生活習慣に注意を

何気ない子どもの日常の姿勢や癖が「歯並びに影響が出るかも」というリスクを知らなければ、無理やり直すこともせずに親はそのまま放置してしまうでしょう。まず子どもは注意したところで悪い癖を続けるものですし。

乳歯の虫歯も、「ひどい場合は抜いてしまえば、永久歯が次に生えてくるからいいよね」じゃ、楽観的すぎる。

細かい姿勢や癖ひとつで上のような影響がありうることを親が知っていれば、子どもの癖の修正に努める。虫歯が歯並びに影響する事実を知っていれば、日々の歯磨きも気合いが入るし、虫歯予防にも力を入れる。

現状に不安なポイントがあれば歯科医に相談にいき、すでに問題があると診断が下れば、矯正歯科に行くなどそこから改善策を練ることができます。

でもこれは親の歯並びに対する考え方しだいです。

 

家庭における歯並びに対する考え方

一般的に「受け口」は直すべきだと言われていますが、伝統芸能の世界では「受け口」はきれいで美しいものとされています。人の感覚はぞれぞれです。

歯並びもそう。「歯並びが悪い」「良い」への感じ方も感覚的で人それぞれです。歯並びの良し悪しの評価も、矯正すべきか否かの判断も。

僕は矯正歯科で「歯並びが良くなったら自分に自信が出てくるよ」って言われましたが、残念ながら歯並びが悪くて引け目に感じたことはなく、歯並びのせいで自信をなくしたことも人生で一度もない。

「めんどくさいのイヤ」「虫歯が多いくらいで致命的な悪影響はない」ため、矯正を逃げてがちゃがちゃの永久歯で約30年平気でした(※将来は知らない。将来を考えての今の矯正歯科めぐりですが)。うちの両親も、息子である僕のこの歯並びをそのまま放って育ててきたので「歯並びが悪くても別にいいんじゃない?」派に分類できます。

歯並びの悪さを30年放置の僕は、我が子の歯並びに関しても「そんなに大したことないだろ」というお気楽な発想だったのは否定しません。自分がなんとかなっちゃってるから。

無知のなせるワザですが、今回自分の矯正歯科探しがてら息子の歯並びについて急に不安になり、いろいろ聞いたり調べたりした結果、かなり慌て出しました。楽観視しすぎていたところは確実にあります。

だから「そこまで歯並びひとつに神経質にならなくてもいいんじゃない?」という人の意見も理解できる。尊重したい。

ただ、今ここではっきりしていることは、親それぞれの子どもの歯への考え方、向き合い方、歯並びへの意識や取り組みは、やるもやらぬも子どもの将来の歯並びへ直結してくるという事実です。

 

子供の矯正はどの時期に考えるべきか?

子どもの歯並びは遺伝3が3割 (4)

photo credit: Vaughan via photopin cc

前提として、歯列矯正は、骨格や歯の並びが固まる前に早期治療を始めることで負担が軽く済むこと「も」あります。身体への負担(治療自体もさることながら、通院や親の付き添いも含め)や、治療にかかる時間の負担、あと金銭的な負担も。

大人だったら抜歯や金具を使ってグイグイと力技で矯正するところを、成長過程の子どもはマウスピース1個で済んだりするわけです。

早い段階から成長に併せて矯正の計画も練ることができるため、抜歯をせずにフルに歯を残せる可能性も高いです。大人は成長しきっておりスペースを作らないと歯を動かせないため、矯正するには健康な歯を抜歯することが多々ある。

子どもの将来の歯並びが不安な場合、親はどうしたらいいのか?を先生たちに聞いたら、あたりまえだけど「定期的なチェック」を必ず受けるように言われました。なにもないならそれで安心。

乳歯がそこそこ生えたら保健所の検診と平行して、歯科医院で定期的にチェック開始。

虫歯対策のフッ素ケアなども重ねながら、乳歯が生え揃った3歳前後以降、何か問題があれば歯科医から癖の修正も含め、指導が入ります。これも親の考え方ひとつで「どこまで癖を厳しく直すか」という判断が迫られますが。

乳歯が抜け出して永久歯が生えてくるのは6歳(小学1年生)くらい。

永久歯が生え揃うのは12、13歳(小学6年生、中学1年生)です。

乳歯から永久歯が生え変わりが進む、6歳から8歳(小学1年~3年生)の段階で噛み合わせなど歯に問題があるようなら、大小かかわらず矯正の早期治療に取り掛かったほうがいいというのが、すべての矯正歯科医の意見でした。

矯正を考えるジャッジの年齢で一番多かった意見は、歯の方向性が見えてくる「8歳(小学3年生)」です。

僕ら親世代が子どもの頃に比べて、子どもの歯の研究や矯正技術はかなり進歩しているとのこと。

「じゃあ8歳までとりあえず放っておいてその時考えれば大丈夫だね」という話ではなく、日々の歯磨きなどのケア、そして上にも書いたようにフッ素ケアも含めた定期的な歯科検診で歯科医のチェックを受けるのは必須のようです。

 

子どものきれいな歯並びのために

子どもの歯並びは遺伝3が3割 (5)

別に脅かすつもりもないし、歯科業界の回し者でもありません。

今回、矯正歯科医に「歯列矯正」についてしつこく聞くにつれ、自分で思っているより「子どもの歯並び」を決定づける要素は「家庭」と「親」が作り成す「環境」が鍵を握っているんだなと強く感じました。それを伝えたくて、このエントリーを書いてみた。

「歯の並び」は「遺伝」もあるが、影響が大きいのは「環境」

その環境を作るのは僕ら「親」です。

「歯並びが悪いの、遺伝したら嫌だなあ」とぼんやり思っていただけで具体的な行動に移すでもなし。うちの3歳の息子には申し訳ないけど、悪い遺伝を引き継ぐ可能性もあってもともと劣勢だったのに、親のぐうたらのせいでさらに歯のケアのスタートダッシュに失敗しています。

お恥ずかしながら、歯並びについて軽く考えすぎていました。非を認めます。すまん。もっと勉強する。

そして、これから子どもの歯については、過剰に介入することにした。聞きまくって調べまくった結果、これが歯並びでちょっと苦労している僕の結論です。

医療はいろいろな意見や考え方があります。一概に上の意見がすべて正しいというわけではないでしょう。

正しい情報を踏まえた上で、我が子にどのような歯のケアを施すか。やるもやらぬも最終的にジャッジするのはそれぞれの「親」です。「子」の意志はない(持てない)部分なので、「親」が決めるしかない。あたりまえだしどんなこともそうだけど、その親としての責任と務めは「歯並び」にもあった、という現実に遅ればせながら気付いたしだい。

子どものきれいな歯並びのために。子どもに年齢を重ねても使えるきちんとした歯を持ってもらうために。

今からでも遅くない。大真面目に取り組むことといたします。

 - 子育てネタ

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Comment

  1. くろひょう より:

    ねむたい様

    はじめまして。3歳娘、1歳息子の父(30過ぎ)です。
    いつも楽しく読ませてもらっています。

    先日クロネコポイントで旅行券狙ったら、見事にミニカー届きました(笑)

    さて、子供の歯並びですが、自分も勉強しないといけないと痛感しました。
    ほぼ遺伝で決まると思っていたのですが、環境が大きいのですね。

    私事で恐縮ですが、自分は矯正後2年半です。
    というのも、元々歯並びは悪くないのですが、永久歯欠損といいまして、数年前まで乳歯が生えていたのですよね。
    なお永久歯欠損は1%の確率ぐらいで発生するみたいですね。

    私の親の認識も、「使えるものは長い方がいいだろ」ぐらいなもので、歯医者に看てもらうこともなく、
    中学生の時にレントゲン撮った時には、既にこのままではまともに生えないことが判明、「棚上げ」することとなりました。

    乳歯もよもや30過ぎまで使われるようにはできていないのでしょうね、いよいよ死んできてしまったので、
    抜歯したうえで、治療することとなりました。
    現在、まともには生えないはずの歯を矯正で引っ張り出している状況です。

    運よく、いい歯医者さんに当たりましたので、安易にインプラントにせず、丁寧に根気強く矯正してもらってます。

    費用は30万円で済んでますが、自分の子供には負担させたくないですよね。
    子供の歯並びにももっと気を遣おうと思います。

    ちなみに私は医療費控除できましたので、少し安くなりました(笑)

    長くなりましたが、また遊びに来ます!

    • くろひょうさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。おおミニカー仲間ですね。

      矯正はこういうパターンもあるんだなあと興味深く読ませていただきました。
      たしかにおっしゃるとおり、子どもに余計な負担はさせたくないので、定期健診などで早め早めに手を打っていかなくてはと今回思ったしだいです。

      今後ともブログともども、宜しくお願い申し上げます。

  2. ほたる より:

    はじめまして。
    いつも楽しく拝見させていただいています。
    もうすぐ3歳になる息子がいる母です。

    うちも前歯ががたがたで、歯医者では父親の遺伝だねっと言われてしまいました。
    歯医者へは2ヶ月に1度、定期健診という形で通っています(私も診てもらっています)
    もし将来、虫歯などが出来て治療に行かないといけないとなった場合、歯医者に抵抗がなくなるようにと、2歳前から通っています。
    そのお陰で、歯医者は楽しい所と植え付けられています。

    矯正の話は今のところ様子見の状態です。
    それよりもがたがたの所が虫歯にならないように気をつけてと言われています。

    なぜがたがたになるのかというと、あごが小さいので歯が生えるスペースがないから・・・だそうです。
    でも諦めていません!!
    上あごのくぼんだ部分を刺激すればあごは広がるらしいのです。
    なので、かぶりついて食べれるものを食べさせてくださいとアドバイスをもらいました。
    まだまだ成果は現れてはいませんが、あごが広がることを願っています。

    それでは長くなりましたがこれからも楽しみにしています。

    • ほたるさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。

      息子さんの歯、すでにもう対応されているんですね。うちも変な癖がちょっとすでに歯に悪影響出てきていると歯医者に注意されています。

      歯の成長と顎の成長のバランス、というパターンもあるというお話は勉強になります。成長に合わせていい方向に行ってくれることを願うばかりですが、こればっかりは。成果が出るといいですね。

      今後ともブログともども宜しくお願い申し上げます。

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