息子や夫の行動が理解できないと感じたらこの本が役に立つかもしれない
2016/05/09
最近の写真は全てウルトラマンの決めポーズ。常に何かと戦い、常に棒を振り回し、常に走り回っている。
でもって、何がおもしろいのか暇さえあれば「うんち」「おしり」と言ってひとりでけらけら笑い、「入るなよ」と5秒前の親の注意をも一瞬で忘れさせるほんとなんなのあれ!子ども吸引ブラックホール「水たまり」へ駆け込んで靴とズボンをびちゃびちゃに濡らしたり。もうむちゃくちゃ。
我が家の4歳の息子、本日も絶好調です。
同じ男である父親でさえ息子の行動が理解不能なのに、身近にはうちの妻、周囲を見渡せば小さい男の子を持つママ達が頭をかかえてしまうのはよくわかる。
なので、男の子の育て方の本が売れているらしいです。
最近は「男の子の育て方」をテーマにした本の出版が相次いでいる。
平成27年(2015年)に出版された男の子の育児をテーマにした本の点数は、女の子に関する本の約3倍。
引用 産経ニュース「「異性」である息子の行動を理解できず悩む母親が増殖しています」
男児と女児は脳科学的にも違いがあることが認められてきた結果から、男女比3倍の出版数だそう。男の子の育児書は需要がある。
そんな激戦の男の子の育児書出版競争は、1年間で男の子限定の育児本を4冊も出してうちのブログで紹介したら「また来月男の子本だします。ちょっと節操がありませんが」と自虐コメントを残していってくれた小崎恭弘先生と、名著「男の子のしつけに悩んだら読む本」を出し産経ニュースで「子育て相談室」の連載を持つ原坂一郎先生がトップを激走。
この2人はメディア露出含めてダントツでよく見かけます。他はあんまり。(※イチ読者としての勝手なイメージ)
で、出版ハイペースの小崎先生がまた男の子の育児書を出版した。攻め時と見たら怒涛の仕事っぷりはぜひ見習いたいところ。
今回は小崎先生の著書「図解 ウチの男子とパパの「??」がスッキリする本」のレビューと勉強になった部分の個人メモ。定期的にこういう本を読むのは、気持ちが新たになりいいことだと思うのであります。
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「ウチの男子とパパの「??」がスッキリする本」の教え
結論から言うと、小崎先生はどの本でも「男の子はそんなもんだからあきらめようぜ」なのでいつも一緒です。
小崎先生の本に対して「そんなことあたりまえでわかりきっている」とAmazonのレビューにて真っ向から反論している人がいるけど、マジメか。
育児なんて子どもが100人いれば100通りあって、親が100人いれば100通りの考え方があって、正解なんてハナからないのだからあたりまえであろうとなかろうとそこからひとつでも日々の子育てに何か取り入れられたらいいなっていう前向きな姿勢が大切なんじゃないの。
おもしろおかしく男の子の生態をいじってるのも、とっつきやすいようにわざとやってるんだと思う。そこからちょっとでもきっかけが得られてしんどい状況から1ミリでも前に進めたらそれで万々歳。育児書に限らず、ノウハウ本もビジネス書も、読書なんてそんなもんじゃないのかな。
今回の「図解 ウチの男子とパパの「??」がスッキリする本」は、それぞれの男の子やパパの生態やシチュエーションごとに「ママがどう受け止めてどう対処すべきかのアドバイス」の構成立てとなっています。
見開きで「息子やパパのあるある」から「ママには理解しにくいなぜその行動をするのか」、そして「対処法や考え方など視点の変え方」が書かれている。
タイトルに「図解」と書いてあるけど別に図を用いて説き示しているわけでもなく、なんで図解を名乗っているかは謎。育児のコツを相関図やグラフでわかりやすく説明できたらそれはそれで斬新です。
図解という名の挿絵と、解説と。かしこまった本ではないのでさらっと1時間程度で読めてしまいます。
息子の理解不能な行動40個のひとつひとつを解き明かしていく。「ウソをつく」「必ず棒を持つ」「同時にできない」「止めたら、する」など。
これなんでやるの?
自分が「なるほどなあ」と思った一例を見てみます。
「ウソをつくの」対処法
例えば、口のまわりにお菓子がついているのに「食べていない」と言う。歯ブラシが濡れていないのに「歯を磨いた」と言う。
このウソに悪意はなく、事実もない。
息子はウソをつきます。そういう生き物です。ただここで気をつけて欲しいのは「息子にウソをついているという自覚がない」ということです。
夢やイメージが現実のこととミックスされていしまう。男の子は何が本当で何がウソなのか、夢と現実が一緒になる傾向が強い。
ウソではなく「大きな勘違いをしている」と思うようにしてください。勘違いの度が過ぎる場合もありますが。だからといってそのことをいちいち追求したり、「そんなウソばかりつかないで!」とは叱ったりしないほうがいいでしょう。
歯磨きであれば一緒にもう一度磨き直したり、片付けであれば遊びながらしたり、息子がママと一緒に気持ちも新たにできる方法を探してください。
うちの息子も小さなウソをつく。出かける前に「おしっこ行ったの?」「行った」
実は行っていない。目の前の遊ぶことに夢中になっている。
ウソをつくことは良くないので問い詰めたくなるし、今後を考えるとこの子にとって良くないんじゃないかと不安になるけど、現時点ではウソをウソと真正面から捉えない親のさじ加減ひとつで「問題ない」。ここから学びました。
「必ず棒を持つ」の対処法
「棒が落ちていたら拾う」
これは男の子のルールです。決まっています。ご飯の前は手を洗う。トイレの後はお尻をふく。棒が落ちていたら拾う。一緒です。
男の子の常識、ママの非常識です。
笑った。この茶化しぐあいが読者によっては鼻について辛辣なAmazonレビューにつながるのでしょう。
なぜ息子は棒を見たら必ず拾うのか。答えはあってないようなもの。
拾うのはもはや「義務」なのでやめさせるのは難しい。他に目を向けさせるレクチャーも本には書いてありますが、とりあえず棒やその他のものを拾うのはもう致し方ないんだと僕らを納得させるにはこれで十分です。
「同時にできない」の対処法
同時に何かするということは、実はとても高度なことなんです。
まずは2つのことに対する「記憶」と「意識」が必要です。そしてをそれを実行するバランスのよい「動作」が求められます。
息子さんはどちらが苦手ですか?このどちらが欠けても同時に何かを行うことはできません。そして息子の多くは、両方苦手です。
この解決法は「同時に何かさせる」「同時にしてもらう」ことを「あきらめる」
自分自身を振り返ると、あれもこれもと同時に多くを求めすぎていたような気もします。
そもそも1つのことさえロクにできない。ひとつひとつこなすことを促し、「歯磨き終わった?じゃあ次は顔を洗おうね」と言ったようにひとつひとつの積み重ねを根気強く待って一緒にやっていくしかないんですよね。
「止めたら、する」の対処法
これも常にイライラするポイント。言ったことと逆のことを必ずやる息子。
ママたちは本当に当たり前の感覚で息子たちにいろいろな指示をしたり、ときには制止をしたりします。何か特別なことではなく、ごく自然にそして息子のためを思って。それが息子にはどうもまっすぐ伝わりません。脳内で別ものもに変換されています。
ダメよ→ 「面白そうよ!」
また今度ね→ 「今すぐしていいよ!」
我慢してね→ 「はい、どうぞ!」
まさにこの脳内変換通り。「これはフリじゃないぞ」と何度ツッコミを入れたことか。
息子は息子独自の世界観や価値観で動いているので、親の指示通りに動いてくれる子ども像との間にギャップがあることに気付かないといけない。
息子とママとは同じ言葉を使い、同じ景色を見ていると思っていませんか?これは間違いです。
息子は「息子語」を使い、そして「息子フィルター」のメガネを掛けてこの社会を見ています(中略)
「息子を愛している」ことと「息子のことがわかる」ということは別ですから。息子と私は別々の人格を持った、素敵な二人。この程度の感覚でいるほうが、お互い幸せでしょう。
息子個人を尊重し、男の子なんてそういうもんだからある程度あきらめの境地で子育てをやっていこうよとライトな姿勢を貫くのが小崎先生の教え。
日々の育児や家事に追われ、仕事持っていたらなおさら。すでにパンクしている頭の中に説教くさい上から目線の育児書なんて頭に入ってこないでしょ。「うちの子もあるある」ってクスっと笑いながら、さっと読めるこういう本は救いにもなるのです。
行き詰まったらこういう本でもさらっと
よく我が家の洗濯機の前で妻が怒り狂ってますが、息子が「ポケットになんでも突っ込む」のも「ポケットを縫い付けてしまう」「ポケットのないズボンをはかせる」で解決できると書いてあります。
こういう言われてみればあたりまえなことでも、小さな気付きの積み重ね。「そっかあ、ではやってみよう」とフットワーク軽く動いていろいろ試してみると毎日が楽しくなるんじゃないかな。
自分の場合は万事、好奇心のままになんでも試して散らかしてすぐに飽きるので後を引き取る妻は大変でしょうけど。
この本の息子の行動に対する対処法やアドバイスは他にもたくさんあって、「すぐにこける」「すぐに忘れる」「ふざける」「ヘラヘラする」もちろん「水たまりに向かっていく」も。「ああ、このアホ行動、うちだけじゃないんだ」とちょっとホッとします。
しかもこの本、「息子」だけに限らず、「パパ」の行動シチュエーション20通りに応じたママの対応策も徹底解説。
サブタイトルは「我が家の男たちにお困りママへの処方箋」なので、夫、パパへの対応をどうしたらいいのかという従来の育児書よりちょっと範囲を広げた内容となっております。
子どもと夫をまとめて操縦。ここへ果敢に攻め込む本ってまだあまり見かけないので、未開拓分野を攻めてますね、チャレンジャーですね、第一人者として周囲に認識されたら需要ありそうですね、って素直な感想。
結果、子どもと夫の一石二鳥を狙ったおかげでとっ散らかって書籍としてのまとまりに欠けると言えば欠けていますが、小崎先生の次回作かその次の本で論理立ててきれいになっていくと思う(何目線だ)。こうやって少しでも世のパパたちの気持ちを代弁をしてくれるのはありがたい限りです。
内容について僕が自らあれこれ解説しだすとなんだか自己擁護と言いますか、妙なことになるので省略しますが、「そうなんだよ、ちょっとうまくプライドくすぐってくれればご機嫌に動くのに」ってところで非常に的を射てくれてます。そう、男ってめんどくさい生き物なんですよ。
息子と夫、奇妙な男どもの生態をママが一気に理解するためにも、同じ男だからと気を抜かずにパパもやんちゃな息子の行動を理解するためにも。
これがすべてだとは言わないけれど、最近売れているらしい「男の子の育児書」ブームに軽く触れてみると日々の育児がまた違った視点で見られるかもしれないですよね。
関連記事
男の子の生態を知り、より効果的な叱り方とほめ方を学んでみよう
ママ向け「男の子の育て方」育児本はパパが率先して読むべし。自身の窮地を救い家庭に平和をもたらすかも。
うちの息子は変なの?アホなの? →変ではない。これが普通。イライラしない子育てのために「男の子」を勉強しよう。
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Comment
同じ4才の息子を持つ身として、とても面白い記事でした。
自分は本を買ったりはしてませんが、人様の意見や子育てルールを聞くのは好きです。
良かれ悪かれ、人様の意見は参考程度にという事を念頭に置いてますので、誰かが自分の子育て論を熱弁したり、感情的に討論し合ってるのを聞くと、家庭環境も子供の個性も十人十色だから…と冷めた目で傍観します。
「棒が落ちていたら拾う」
これは男の子のルールです。
このくだりには、ウケました(笑)
ジャッキーさん
コメントありがとうございます。
そうですね、たしかに十人十色の世界なのでまあそういうのもあるよねくらいで自分に必要なものだけ取捨選択すればいいと僕も思っていますが、「ありorなし」の極端な二択だけで判断する人も多いものです。それは育児の話に限らず、このブログに書いてあることの受け取り方についてもですし、日常や仕事でも遭遇するお話ではありますけど。
いつもありがとうございます
定期的に自分の検索かけています
いろいろと書かれたいることもあったり、なかったりで
こんなにも丁寧にお目通しいただき感謝です
本当にありがとうございます
小崎先生
いつも大変お世話になっております。コメントもご丁寧にありがとうございます。
エゴサーチはメンタルの弱い自分には無理です。
自らの生活や仕事にも追われてただ走っているだけしか実感のない日々の育児です。何が正解なのか不正解なのかがよくわからないし結果が数年後だか数十年後に出るんだか出ないんだかもあって悩ましいことも多いですが、小崎先生の本には確実に救われています。これからも先生の本は非公認ストーカーとして追っかけます。宜しくお願い致します。