キャッチボールのコツから学んだ「子育ての心構え」
2015/01/08
男親はみんな、息子とのキャッチボールのシーンにあこがれるもの。
うちもそうで、ちょいちょい3歳の息子とも外でボール遊びをしながら、グローブを買う日を夢見ています。
先日、「キャッチボールで大事なこと」という松井秀喜さんの話を読み、これはまさに「親の子育てにおける心構え」に激しく通じるな!と感じ、いろいろと考えさせられた。
今回は、「キャッチボールのコツ」がなぜ「子育て」に通じるのか、その心を書いてみます。
photo credit: USAG-Humphreys via photopin cc
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キャッチボールの受け手の心構え = 親の心構え
松井秀喜さんに学ぶ「キャッチボールで大事なこと」
静岡市で行われたプロ野球選手会主催の大盛況のファンイベント。子供たちが、プロ野球選手とキャッチボールをするプログラムがあり。
どの子も見事なノーバウンド投球で上手。よく見ると、プロ野球選手のキャッチボールの受け方がバツグンにうまい。という話から・・・
子供が投げる寸前に選手は素早く移動し、テンポ良く受け渡しを成り立たせていた。
「長くやってきたし、わかるんです。「腕が頭から離れている子は、ボールが上に抜ける」とか」と東出選手(広島)に教わり、ふいに松井秀喜さんとの雑談を思い出した。
「キャッチボールで大事なことは・・・」。巨人や米大リーグのヤンキースなどで活躍した名選手は突然、こう切り出した。
「キャッチボールで大事なことは何だと思う?」
「相手の捕りやすいボールを投げることかな」
「それも大事。でも、まだ大事なことはあるよね」
「回転のいいボールを投げてやることだろうか」
松井さんは首を振った。
「とんでもない悪球だって、何事もなかったように正面で捕る。技術的に難しいし、負担も増すけど、相手に「失敗した」と感じさせなければ、ずっと笑顔で楽しく続けられるから」
引用 読売新聞 2014年12月30日 「キャッチボール「受け手が大事」」
この記事を読んで、僕はかなり打ちひしがれました。
間違っていた、息子とのキャッチボール
そもそもの、キャッチボール論からして、僕と息子とのキャッチボールはおもいっきり間違っている。
楽しくキャッチボールをすることを目指すには目指しています。一緒にきゃっきゃ楽しく遊んで、うまく投げられれば褒めはするし、ふたりきりの時間を大切にしている。
しかし、野球好きのアホ親な僕は、息子の投げた変な方向のボールに対して「ボールはまっすぐに投げないかん」「こう投げるんだ」とちょいちょい監督風情のスパルタ指導を入れてます。その時の息子は、あまり楽しそうじゃない。
松井さんの言う「悪球でも何ごともないかのように正面で捕る」のが一緒に遊ぶ親の役目だとしたら、その努力を完全に怠っているわたくしめは、キャッチボーラー失格でございます。
褒めてみたりと息子とのちょっと楽しいキャッチボールの時間の演出はしていたけれど、本質であるボールの受け手としての努力は何もやっていない。恥ずかしながら、そもそもそういう発想自体がなかった。
ボールの握り方や、力をうまく伝える効率的な投げ方を教える前に、まずは「受け手側の心構え」が大事。
受け手が配慮した環境の中で子どもが楽しくポンポンとボールを投げ、上手になった気分になり、しだいにコツを掴む。失敗もなくなって、積み重ねの結果、最終的にいい球を投げられるようになる。
「キャッチボールをうまくなるためのコツは?」の答えは、投げ手側ではなく、「受け手側の心構え」にあった。
「親としての心構え」に通じる
これは、子どもとのコミュニケーション、子どもの成長を見守る「親としての心構え」にも通じるのではないでしょうか。
子どもの考えていること、子どものやりたいこと、子どもの言葉をうまくキャッチするために、受け手である親はどうあればいいのか。
自分の日々の行動を思い返す。子どもからのボールをキャッチする際の、親としての体勢はどうなの?と。
ボーっとただ突っ立っていて、子どもからの悪球に身体ひとつ横に動かさず、後逸してはいないかい? 口だけ動かし「なんでできないの」「言われた通りになんでしないの」「早くしなさい」とイライラするだけで。
子どもからのボールをどう受けるか、自らの体勢まで「考えてやってるのか?」と問われるとまったく自信ありません。というか、やってません。ごめんなさい。
自分が動かず、腕組みして上からモノを言うだけが「教育」「指導」ではない。求められてもいないのに事細かに教える、口先だけの教え、口先だけで褒めて伸ばす教育も意味がない。
一緒に生活していく中で、子どもの様子をつぶさに見て、子どもが投げてきたものがどんな球であろうとも、親として何ごともなかったかのように正面からキャッチする。受け入れ、投げ返す。テンポの良い繰り返しの中で子どもは成長し、いろんな言動を理解し大人になっていく。
確かに、親初心者としては技術的に難しい。負担も増します。
時と場合にもよりますし、書きながら「ムチャだ」と自分でも笑ってます。なかなか容易にいくことではないのはわかっていますが、親のひとつのあり方として、目指し努力してみる価値はあるのではないか。
今回のこの「受け手としての心構え」は、本当のキャッチボールでも、子どもとの生活の中でのキャッチボールでも、忘れてはいけない重要なポイントだと深く深く心に刻みました。今まで「受け手」の発想を持って子育てをやってきたと自信を持って言えない、そんな自分もどうかと思いますが、なんとかこれから挽回したい。
ブログを書きつつ、いろいろ頭を巡らす中でふと気づきました。
受け手ありきで、キャッチする「受け手が大事」だから「キャッチボール」と言うのだ、と。
投げる方が重視されるのであれば、「ピッチボール」です。でも、誰もそんな呼び方をしません。
ボールの「キャッチボール」も、子育ての「キャッチボール」も、「受け手」が大事。
ただボケっと我が子からの投げかけをキャッチするだけではなく、親としての「受け手の心構え」を常に持ち、どう受けてどう返したら子どもにとってベストなのだろうか?を考える。
ひとつひとつの積み重ね。今日も自問自答は続きます。
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Comment
3年近く前の記事にコメントしても届かないかもしれませんが・・・。
通りすがりに拝読いたしましたが、感動しました。
私も親初心者、近い将来の息子とのキャッチボールを夢見るものとして、今から「受け手の心得」を整えておきます。
素敵な記事をありがとうございました。
くろすけさん
コメントありがとうございます。
3年前に書いたっきりで自分でも読み直す機会がなかったので今回改めて読み直す機会をくださったくろすけさんに感謝です。こちらこそありがとうございました。