BOSEの真髄!ノイズキャンセリングイヤホン徹底レビュー
2016/06/14
自分で言うのもなんですが、ちょっと神経質な性格なため、他人の出す「音」に敏感だったりします。
なのでずっと「ノイズキャンセル機能」がついたヘッドホンに興味がありました。「欲しいなあ」とちょいちょい家電量販店で試聴していましたが、高価格がネックで踏み切れず。
しかし欲しくて欲しくて我慢ができなくなり、貧乏くさいお話で恐縮、お小遣いを半年間ちょっとずつ貯めて「えいやあ」と購入に踏み切った。
音の違いはあんまりわからないバカ耳だと自覚してますが、思い切って買って正解だった。BOSE(ボーズ)のノイズキャンセリングイヤホンQuietComfort20を1ヶ月使い倒してわかった徹底レビュー。写真多めの34枚、いきます!
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ノイズキャンセリングイヤホン購入に至るまで
「ノイズキャンセルとはなんぞや?」など、基本をちょっとおさらいしておきます。
ご存知の方は読み飛ばしてください。
ノイズキャンセル機能とは?
普通のイヤホンはイヤホンジャックに差し込んで音楽を聞くだけです。
ノイズキャンセリングイヤホンは、普通のイヤホンにプラスして「周囲の騒音を消す能力」を持っています。
- イヤホンに小さい高性能マイクがついていて周囲の騒音を拾う。
- イヤホンのノイズキャンセリング回路が、電気的にその騒音を打ち消す反対の音波を発生。
- 騒音の音波にその反対の音波をぶつけることにより周囲の騒音が打ち消され、音楽のみがクリアに際立って耳に届く。
ざっくり言うとこんな機能がついている。だから高い。
めちゃくちゃハイテク機能で男心をくすぐるけど、ほんとにこんなうまいぐあいにいくの?実際のところどうなの?は下で細かくレビューします。
ヘッドホンではなくイヤホンを選択した理由
ノイズキャンセル機能を搭載した「ヘッドホン」と「イヤホン」が今、市場には出ています。
優柔不断な性格をいかんなく発揮して、あーだこーだと比較検討、店頭で聴き比べをしました。店員さんと話し込みました。
かなり悩んだのですが、自分の使用目的は毎日持ち歩きたい、手軽に使いたい。なので「携帯性」を重視。すると「ヘッドホン」ではなく「イヤホン」となる。イヤホンなら装着も素早くできる。
また、長時間使用の場合、夏場はヘッドホンの密閉性で蒸れます。耳の周囲への圧迫感も気になったため、「イヤホン」に絞って検討しました。
ボースとソニーの比較
当初は密閉性が高いSHUREのイヤホンを購入しようと思っていたのですが、SHURE掛けが毎度めんどくさいのと、円安のせいか定期的に定価が急上昇するため、値上がり前の価格を知ったら買う気がみごとに失せました。
いろいろなイヤホンを聴き比べる中で「ノイズキャンセル機能」を試してみたら、「遮音」を追い求める自分の希望にぴったりでかなり心が傾いた。「音質」より「遮音」を最優先としました。
僕が最終的に悩んだのはこの2択。
ソニー「MDR-NC300D」
SONY好きな父親の影響で、僕はSONYにかなり好意的な立場です。SONY株でけっこう損させられたのに、まだ好きです。バカです。
ただこの商品は、聴き比べた際、ノイズキャンセル機能と音楽のクリア感でどうしてもBOSEに軍配が上がってしまった。SONY好きの自分の中でだいぶ下駄を履かせてもその差は歴然だった。
コントローラーが単3乾電池で動くという仕様も「大きさ」と「重さ」の部分で使い勝手が気になり、最終的に候補から落としました。
ボーズ「QuietComfort20」
個人的に耳にすっぽりハマる装着感(BOSE他製品よりもこれが一番しっくりきた)、コントローラー部分の使いやすさなど、トータルで考えて現状「QuietComfort20」がベストだと判断しました。しつこいけど価格が高いのが、唯一のネック。
BOSE初のインナーイヤータイプ「QuietComfort20」の発売は2013年夏。
そろそろ新製品は出ないのか?と「待つ」選択肢もありましたけど、直接BOSEに電話して「新製品が出る予定ってないですか?」と聞いたら「ありません」とあっさり言われたので購入に踏み切りました。まあ使ってみてこの完成度なら、しばらく新製品は出てこない気がします。
基本的にBOSEのヘッドホン・イヤホンで「ノイズキャンセル機能」付きのラインナップは大人気のため、まず安売りされません。かなり強気の販売です。
関連記事 BOSE(ボーズ)のヘッドホン・イヤホンを割引価格で買う方法まとめ
なので、最終的にBOSE直営のオンラインショップにて「QuietComfort20(Android向け)」を定価購入しました。
iPhoneユーザー向けが「QuietComfort20i」、WindowsとAndroidユーザー向けが「QuietComfort20」です。マイク付きリモコン部分がちょっと違うだけです。基本的な機能は違いありません。
ボーズのQuietComfort20レビュー
外箱や付属品一式を見てみる
送料無料のBOSEオンラインストアで購入したら、ギフトバックがついてきました。特にいらないかな。
BOSEの直営オンラインストアでの購入メリットは「購入後30日間なら返品受付・返金します」という驚愕の太っ腹制度。試して駄目だったらじゃんじゃん返品してくれ、と。返品時の送料もBOSEが負担です。
すごい自信ですよね、これ。
ではQuietComfort20の中身を見ていきます。
スライド式の箱を開けると
夢にまで見たBOSEのノイズキャンセリングイヤホン「QuietComfort20」が鎮座。
その下には専用キャリングケース。
さらにその下には説明書と乾燥剤。説明書の類は、オンラインショップでもPDFファイルで公開されています。
全部箱から出してみます。
本体・説明書・専用キャリングケース・充電用USBケーブル・サイズ別のイヤーチップ。
イヤホン本体を見てみる
肝心のイヤホン本体を見ていきます。
ノイズキャンセル機能をつかさどる「コントロールモジュール」があるのが、普通のイヤホンと違うところ。
コントロールモジュールを見てみる
コントロールモジュールのサイズは、縦8.9cm×横3.2cm。って言ってもわかりにくいので横にペンを置いてみた。
手で持つとこんな感じ。薄い板状なので手の馴染みが良く、軽い。
机の上で滑らせてもひっかかるので、表面にどうやらすべり止め加工がされています。
にわかに信じがたいですが、この中に「ノイズキャンセル機能」のシステムと、充電式のバッテリーが全部収まっている。
「ノイズキャンセル機能」には電力が必要なのでバッテリーで稼働します。バッテリーが切れると「ノイズキャンセル機能」は使えない。バッテリーが切れても普通のイヤホンとして音楽は聴けます。
サイドにオン・オフのスライド式スイッチがついてます。
オンにすると「ノイズキャンセル機能」が始動。緑色のランプがつきます。使わない時はオフにしておけば、バッテリーは減りません。
イヤホンを耳に差し込んだまま「ノイズキャンセル機能」をオン・オフすると「ブチッ」という音が鼓膜にけっこう来るので注意。
右側のランプは、充電ランプ。
- 「緑色」:電源オン時でバッテリーに3時間以上の電力が残っている
- 「緑色点滅」:バッテリーに3時間未満の電力しか残っていない
- 「オレンジ」:充電中
- 「消灯」:電源オフ
とステータスによってランプの色が変わります。
バッテリーの充電の方法
コントールモジュールの電源ボタンと反対側にマイクロUSBの端子があります。ここからバッテリーに充電します。
付属の充電用USBケーブルから給電できます。
バッテリーの持ちを実測してみた
説明書には
- フル充電で「16時間」の使用が可能
- バッテリーがなくなる警告のバッテリーランプ点滅は「3時間前」
- フル充電に「2時間」かかる
と書いてあります。
疑り深いので手元で計測してみたところ、購入直後のテストで、フル充電からバッテリーがなくなるまで「18時間5分」のノイズキャンセンリングを使ったリスニングが可能。
コントローラーのバッテリーランプ点滅が始まってからも「3時間50分」聴けました。
電源オフにてバッテリーがゼロの状態からの満タンまで充電で要した時間は「1時間ちょっと」でした。これはスマホの充電器でコンセントから直に充電した場合です。
ユーザーの使用環境によりますし、バッテリーが劣化すれば時間は短くなっていくものと思われます。
ノイズキャンセル機能は、バッテリーがなくなる直前に「弱くなる」といった症状はなく、バッテリーがなくなるまでフルできっちり仕事します。
マイク付きリモコン部分を見てみる
スマホに付属でついているイヤホンのマイク付きリモコン機能と同じです。
これはAndoroid用モデルなので、iPhone用モデルは3つボタンでちょっと違います。音楽の「音量調整」「再生コントロール」や「音楽から通話へ切り替え」が手元で一通りできる。
リモコンにはマイクの穴があいていて、ハンズフリー通話が可能。360度まんべんなく音を感知する「無指向性」マイクなので口を近づけて話す必要がありません。
マイク付きリモコンのサイドには「アウェアモード」の切り替えボタンがあります。
コントロールモジュール本体でノイズキャンセル機能がオンになっていても、このサイドのボタンを押すと、音楽は流れつつもノイズキャンセル機能が緩和されて周囲の音や話し声が聞こえやすくなる「アウェアモード」に入ります。
マイクで話し声を拾って増幅している感じで、そんなに聞き取りやすいわけではないです。聞き取りやすくするならイヤホンを耳からはずすほかない。
ただ、わざわざ本体のスイッチオン・オフをしなくていいので、電車から降りて駅のホームを歩く際など、音が聞こえないと危ない時に重宝しています。
イヤホンを見てみる
イヤホン本体に2つの小型高性能マイクが入っていて、騒音を検知。
外側のマイクから外部の騒音、内側のマイクで耳に侵入してくる騒音をモニタリング。その騒音を、上で説明した板状の「コントロールモジュール」の中のデジタル回路で処理して、騒音を相殺する仕組みだそう。これでほんと騒音が消えるからすごいんだよね。
集音マイクが内蔵されている分、見た目が補聴器っぽくてムダにでかいとか悪口言われているようですが、そんなことないと思います。左がボーズで、右はソニーの普通のイヤホン(MDREX310)。比較してもさほど大きさは変わりません。
厚みがちょっとあるので耳からの見た目の主張が強いですが、文句言いたくなるほど大きいわけではない。重いわけでもない。許容の範囲。
耳に入れる部分は、独特な形状のシリコン「ステイヒアープラスチップ」が耳にフィットします。
耳の中にぐいっと押し込んで密閉するタイプではなく、ふんわりで圧迫感が少ない。かといって遮音性に劣るわけではない。個人的にはこの付け心地が気に入ったのが購入した理由のひとつ。
日常的に長時間つけていますが、痛くなることはありません。最長で12時間くらいつけっぱなしをやりましたけど問題ありませんでした。
チップはユーザーの耳の穴の大きさに応じてS・M・Lの3種類が入っています。お好みでどうぞ。僕はBOSE直営ショップの店員さんに相談している時に「お客さまは「L」がフィットしているようです」と言われたので「L」です。
耳に差し込んで、コード根本部分をくいっとちょっと前上向きに回転させるとフィット感が増すコツ。
肝心のノイズキャンセリングはどうなのか?
強力です。電車の中、バスの中などではかなり威力を発揮するのを感じています。騒音が軽減され、遠くでちょっと音がするなー、発車のベルかなー、なんかごちょごちょアナウンス言っているなーという感じ。
確かに騒音は聞こえなくなり、クリアな音楽だけが際立って耳に飛び込んできます。
駅のホームに入ってくる電車の音もあまり聞こえないので、使用する場所はきちんと考えないといけません。
4軒隣の家の解体工事現場の「ドドドドド」というドリル音は、ノイズキャンセル機能オンで音楽流して騒音7割減。遠くで何か工事をやっているのはわかります。
ノイズキャンセリングで完全に騒音は「無音」にはなりません。完璧に騒音をシャットアウトというのは難しそう。
カフェなどで人の話し声を遮断する「耳栓代わり」にもなりません。横のテーブルの会話は聞こえます。男性の声は「遠くで話している」ようになりますが、子どもや女性の声などかん高い声はけっこう「丸聞こえ」です。
静かな環境下では、パソコンのファン音、空調の音、雨が屋根を叩く音などは完全にシャットアウトします。
そのわりには2階を歩くドタバタ足音が聞こえてきたりします。よく基準がわかりません。手元の音も、事務椅子のギコギコ音やパソコンのキーボードを叩くタイプ音はバンバン聞こえます。だけどそのパソコンの横、机に直置きで本来であればうるさい携帯電話のバイブ音はいくら鳴っても一切聞こえません。
どうやら消音も「得意な音」「苦手な音」があるようです。「低音」に強いみたい。
とはいえ、音楽に集中したいのであれば余計なノイズが入らず「純粋な音楽」を楽しむことが可能。音質も相当クリアですし、特にクラシックやライブ音源などを聞くと臨場感に圧倒されます。語学の勉強などにもいいんじゃないでしょうか。
音楽をかけずに耳栓になるか?
音楽をかけず、ノイズキャンセル機能だけをオンにして「耳栓」にならないか?
結論は「なりません」
一定の騒音は排除でき、音楽をかけずとも感覚的に周囲の騒音は5割減くらいにはなります。だったら普通の耳栓でいいんじゃないかと。完全に騒音を除外して無音にするのは、いくらボーズのテクノロジーを持ってしても無理です。
また、ノイズキャンセリングをオンにした状態で音楽をかけずにいると「サー」というホワイトノイズがずっと流れている状態になります。ホワイトノイズは集中力を高めるといった説もありますが、ダメな人はダメなはずです。僕はダメです。
使い始めた当初、ホワイトノイズがひどくて「なんだこりゃ!返品だ!」と憤ったのですが、原因は給電とイヤホンジャックが接近していた環境のせいでした。
給電とイヤホンジャッグが近いとどうやらハウリングを起こして、ホワイトノイズが10倍増しくらいになるもよう。音楽を聴きながらも、ホワイトノイズの強さにイライラするほどでした。
マイクロUSB経由の給電をパソコンじゃなくて遠くの別のコンセントから引っ張ってきたら、ホワイトノイズが弱くなって許容のレベルになりました。
ケースを見てみる
付属で専用キャリングケースがついています。これだけ別に買おうとすると1,500円もする。
チャックにもBOSEのロゴ。
作りは丁寧です。
イヤホンを入れてみる。
チャックを閉じてみる。
コントロールモジュール部分が壊れると困るので、持ち運びはこのケースを使っています。
ノイズキャンセル機能の情報のやり取りを行うためかイヤホンのコードが太め(通常イヤホンの1.5倍の太さ)なので、ぐちゃぐちゃっとケースに突っ込んでも取り出す時にコードが絡んでイライラすることはありません。
いまいちなところ
最後に書ききれなかった「いまいちなところ」を挙げておきます。
上にも書いたようにコードが太めでコシが強いため、クセがつくと取り回しやひとまとめにする際に手こずる。これはノイズキャンセリングイヤホンという特徴的な機能を持つため、コードが太くなるのは致し方ないところではありますが、次期モデルの無線化などに期待。
また、イヤホンジャックと「コントロールモジュール」部分の間のコードが短い。
パソコンやスマホのイヤホンジャックに直挿しした際、コントールモジュールの重さでコードに負荷がかなりかかるので「断線するのでは?」とビクビクします。
自分は延長のコードをつけることで負荷を回避していますが、けっこう探したけど一般的にイヤホンの延長コードは50cmからの販売。10cmくらいのがあるといいんですけどね。
1ヶ月間、ほぼ毎日使っていて現在の不満点はこんなところ。概ね満足。いや、大満足です。
長く使うことでまた見えてくるものもあると思うので、随時追記してまいります。
【追記】旧モデルと新モデルの違い
2015年6月26日(金)に「BoseR QuietComfort 20 Acoustic Noise Cancelling headphones」として新モデルが発売されました。
よくわからなかったので、BOSEのサポートに問い合わせたてわかった旧モデルと新モデルの「違い」は以下の通り。
- キャリングケースの素材が「キャンバス地」に。
- カラーが「白」と「黒」の2色から選択できる。
- コントロールボタンが、アップル対応もスマートフォン対応モデルも「3つボタン」となった。
「ノイズキャンセル機能」や「電池寿命」については、旧モデルも新モデルも同じ仕様とのこと。
あとは定価が5,000円ほどアップしました。うーん。
ノイズキャンセリングイヤホンならBOSEで間違いない
普通のイヤホンとは違う、かなり精密なシステムを積んだイヤホンなのでちょっと気を使ってます。そのわりには耳からはずして机に放り投げたりしてますけど、どこまで雑に扱っていいのかがわかりません。
僕は今までスマホに付属のイヤホンで満足してしまうタイプだったのですが、音質は、素人でもはっきりと違いがわかるクリアさとパフォーマンスです。さすが天下のBOSE。
そして上で述べたとおり、遮音も完璧とまではいかないまでも、かなりの高レベルでユーザーの希望はクリアしています。特に電車とバスの中ではすごい威力を発揮します。どれだけ今まで余計な騒音と一緒に音楽を聞いていたんだ!どれだけ騒音を打ち消すためにボリューム上げすぎていたんだ!となることうけあい。
ノイズキャンセリングを知らない人は、この効果にみんな驚愕するはず。
高価なだけの価値はあります。確実に。手を出すにはちょっと躊躇すると思うけど、全力でおすすめしたい。
BOSEの30年以上にわたるノイズキャンセリングテクノロジーをお手元に。ノイズキャンセリングイヤホンならBOSEで間違いない。断言いたします。
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