泣ける絵本に新星登場。「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」の涙腺破壊力がすさまじい
2015/02/27
世間では、絵本で泣く「涙活(るいかつ)」が流行りらしいです。
個人的には「絵本で泣くってねえ」と冷ややかな立場でしたが、「いのちをいただく みいちゃんがお肉になる日」という名作によって、身をもって体験させられた。不覚にも、息子に読み聞かせをしながら泣いてしまったのである。
絵本に生まれて初めて泣かされた。妻も僕の読み聞かせを聞きながらキッチンで泣いていた。しかも妻は絵を一度も見ていない。
なんだこのすさまじい涙腺破壊力は。
茶化しぎみの記事タイトルをつけてしまいましたが、今回は「いのちについて考える」最高の教科書、絵本「いのちをいただく」をただただ絶賛するエントリーです。
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「いのちのいただきかた」を考える
坂本さんは、食肉センターで牛を”解く”仕事をしています。
息子のしのぶくんは、小学校の授業参観でおとうさんの仕事はなんですかと聞かれて、「ふつうの肉屋です」とこたえました。
その後、担任の先生に「おとうさんの仕事ばせんと、肉ば食べれんとぞ」といわれたしのぶくんは、「おとうさんの仕事はすごかとやね」と坂本さんにつたえます。
そんなある日、坂本さんがつとめる食肉センターに、女の子と一頭の牛がやってきて・・・。
「命を解く」
食肉解体業に関わる人たちが実際に使っている言葉だそうです。
この絵本は食肉解体作業員である著者の坂本さんが、一頭の牛とその牛を育てた女の子と出会ったエピソードをもとに綴った絵本です。坂本さんが講演活動で続けていたお話が大きな反響を呼び、紙芝居になり、デジタル紙芝居(DVD)になり、絵本となって、僕らの手元に今あります。
「いのちの重さとは?」
「いのちのいただきかたとは?」
なかなかシュールでつらいエピソードですが、心に響きます。最後のシーンは、涙無くして読めません。
登場する人物の表情も豊かで絵も丁寧ですし、あとがきも著者たちの「この絵本に対する想い」と「いのちに対して真摯に向き合う言葉」にあふれていて心に染み入ります。
また、坂本さんと坂本さんの息子さんとのやり取りから、周囲に恥じることのない「はたらくことの尊さ」についても考えさせられます。
人が生きていくうえで、いきものの命を奪って日常的に食している現実は、頭ではわかっていても見てみぬ振りをしてきているのが本当のところではないでしょうか。
大人が直視していない事実を棚に上げて、この絵本を子どもに読んできかせてさまざまな思いを押し付けるのもまたちょっと違うような気もします。
うちの3歳の息子にはまさかこんな展開とは知らずにいきなり読み進めてしまいました。夫婦して泣いてしまった1回のみの読み聞かせで切り上げ。さすがに幼児には少し早い内容です。
その時は図書館で借りてきていたのですが、後日「これは手元に置いておくべきだ」と自分用に購入したしだい。何度読んでも心に響きます。
息子が大きくなって小学生くらいになったら、一緒に話し合える機会が持てたらいいなと今は思っています。デリケートな問題なので、その時になったら伝え方に思い悩むのでしょうけど。
ひとりの人間として、子どもの食について日々向き合う親として、「いのちをいただく」ことを改めて自分の中でじっくり考えるきっかけとなる一冊。
ただ「泣ける」の一言だけで片付けるには惜しい、いろいろな意味の「生きる」深さがこの絵本にはあります。
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