ビジネス書の古本買取で評判が良いバリューブックスを使ってみた。買取価格の結果はいかに？

本がずらっと並んでいるのを眺めるのが好き。いつか読むだろうと買ったはいいが、結局読まずじまいの本も多い。

そして私たちは知っている。いつか読むだろうの「いつか」は、永遠に来ないことを。

よくよく考えたらこれらの本を置いておく場所にも家賃がかかっているわけで、家賃の高い東京じゃ保管費用が割にあわないよなと思い。引っ越しを機に大量の本の処分を行いました。本好きとしては苦渋の決断。

一部は自分で本の解体とスキャンを行い電子書籍化を実行しましたが、慣れても1冊あたり10分～15分ほど時間がかかるので全部はやってられん。

というか、スキャンをミスってイラついたり、本の裁断や読み込みチェックの手間を考えると、電子書籍を買い直したほうが安いのでは？ほんとにスキャンしてまで読むのかこれ？こんなに時間かけてなにやってんだろうオレ？と自問自答の無限ループへ陥ってしもうた。

Amazon Kindleの読み放題対象、図書館へ行けばいつでも借りられる、そんな本も全て処分を断行いたします。

まずは一番かさばって場所を取っているビジネス書をどうするか？

普通にブックオフに持ち込んで二束三文で買い叩かれるのはおもしろくない。

どこかいい古本の買い取り屋さんはないものか？と調べたところ、古本買取にもそれぞれ買取分野で「強み」「弱み」があるみたいです。そういえば、専門書の買取は「バリューブックス」という長野県にある会社が強いとTwitterで見かけた。

いらなくなった医学書15冊(買い値98000円)をためしにブックオフにもっていくと、案の定全部10円で計150円の買い取りだったので、バリューブックスに依頼したら合計10200円で買い取ってくれた。

— インヴェスドクター (@Invesdoctor) 2017年1月1日

いざ人柱。ビジネス書のド定番をわざと詰め合わせセットにして宅配の買取依頼をしてみました。

実録「バリューブックスの買取価格はいくらになったのか？」

後へ続くユーザーのために記録しておきます。

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バリューブックスの買取手順

バリューブックスって？

巷の評判は良いようですが、今回初めて古本買取を依頼するにあたり「大丈夫か？この会社」と不安だったので調べた。

参考　バリューブックス

• 長野県上田市にある会社。真田の上田城がある上田ね。
• 2007年から10年以上、古本の買い取りをやってます。
• 買取価格保証あり。発売から3ヶ月以内の古本は定価の30%以上を保証など、古本買い取りとしては高水準。
• 買取の得意なジャンルは、ビジネス書、医学書、法律関係、コンピュータ関係、参考書、各種問題集、専門書、辞書、美術書、デザイン本。
• 買取の不得意なジャンルは、小説、文庫、児童書、新書。

小説や新書などは「不得意だから古本買取価格が安くなりまっせ」と言い切るあたりが潔い。

また、古本が売れたら売上の33%を出版社に還元して各出版社の本の制作や著者の収入確保に役立ててもらうなど、古本買い取り業者と出版社が古本の流通で初めて提携するという、興味深い取り組みを行っている会社でもあります。

参考　日本経済新聞「バリューブックス、中小出版５社と提携　古本販売時に利益還元」

買取手順をおさらいしてみよう

バリューブックスは、店頭買取ではなく「宅配買取」一本でやってます。

5冊以上の買取を依頼すれば、自宅から本を送る宅配送料が「無料」になります。バリューブックスが手配してくれ、ヤマト運輸が自宅まで集荷に来る。本をしこたま詰めた重い箱を運ばずにすむので楽です。

買取の手順をおさらいしておきます。

手順1：ウェブサイトから買取を申し込みます。場所がわかりにくい。

手順2：申し込みページに名前や住所など必要事項を入力。

箱詰めにした本は、バリューブックスから依頼を受けたヤマト運輸が自宅まで集荷に来てくれます。集荷の日付と時間帯指定が可能。

15時までの依頼なら当日中の集荷もOK。ブックオフの宅配買取は最速で翌日集荷でした。かさばる大量の本をさっさと回収していくスピード感は素晴らしい。

査定金額は、「査定結果をメールで送信し、こちらが承諾したら振込される」、もしくは「査定が完了したら速攻で振込される」

この2パターンから選べます。

手順3：申し込んだらすぐに「買取のお申込みありがとうございます！」メールが届く。

手順4：買取希望の本を箱詰めにする。ダンボール箱を有料で売る古本宅配買取業者もいるけど、ここはそういうサービスはない。箱は自前で用意。身分証明書のコピーの同梱をお忘れなく。

手順5：指定した日時にヤマトが自宅まで集荷に来る。伝票はヤマトが持ってきてくれるのでこちらが何か準備する必要はない。

手順6：査定金額については、ユーザーが選択した「メールで査定結果の報告があり承諾→ 振込」ないし「査定後、即振込」のどちらか。

手順7：申込時に指定した銀行口座へ振込が確認できたら、取引終了。

参考　バリューブックス

【実録】バリューブックスの買取価格

買い取ってもらった本はこれ

本棚から笑っちゃうくらいベタなビジネス書をあえて選んで、箱詰めにしてみました。

最近の新刊は電子書籍で買っているので、10年前くらいに買い揃えた本ばかり。ビジネス書好きはだいたい通過するド定番が多いです。

買取を依頼した20冊は以下の通り。自分の頭の中身を大々的に公表しているようで、これはこれでちょっと恥ずかしい。

焼けなどなく、本を雑に扱うのは自分の主義に反するため、どれも状態は良いと思います。

全部まともに定価で買ったらおそらく3万円台半ばとかそのくらい。

しかしながら「金持ち父さん貧乏父さん」や「夢をかなえるゾウ」「チェンジ・ザ・ルール」など6冊は、ブックオフにてすごい綺麗なやつをコレクション用として100円で掘り出したものだったり。

とりあえず初回の様子見なので、買取実験に混ぜ込んで冊数を増やしてみた。

買取価格の結果発表！

もったいつけるほどのものではないですが気になる20冊の査定結果は、

「5,336円」

でした。買取できなかった本はなし。

ブックオフなら状態が良くでも1冊10円～いっても150円くらいで、このラインナップなら全部で2,000円いけば上々って感じ。3,000円にはならないでしょう。

欲をかけばキリがないけど、査定の高い本もあったようで先方の買取コストも考えればまあこんなもんだと思います。

東京から長野へ1箱あたり700円の送料がバリューブックスの負担でかかってます。ヤマトが持ってきた伝票に送料が書いてありました。

それから、買い取ったお金を銀行口座へ振り込んでくれる際の振込手数料もバリューブックス持ちです。

ひっかかるであろうポイント

「それぞれ1冊ずついくらで買取だったのか？」と買取金額の詳細を知りたいのは、売った側として真っ当な要望です。

が、それは出してくれない。知らせてくれるのは「買取金額の総額」だけ。

疑問だったので直接電話して聞いてみたら「システム上の問題」だそうで、個別の明細は出せないとのこと。

よく見たら、査定結果の連絡メールにも「※なお、弊社システムの都合上タイトル別にお値段をご提示することができませんのでご容赦下さいますようお願い申し上げます。」と書いてあった。

右から左に流す、薄利多売の古本買取業。1冊ずつの買取金額なんていちいちそんな手間かけてられねーよ、しょせん明細を出したところでおたくら「おおーこの本が高いのかあ、ふーん」って言うだけで終わりだろ、過去に売った本をもう一度買って売ることなんてないでしょ買取金額知ってどうすんの、ってバリューブックスの心の声が聞こえます。あくまで僕の歪んだ想像です。

【2017年9月追記】

2017年6月にバリューブックスが10周年でシステムをリニューアルしました。

大きな変更点は

• ユーザIDとパスワードを登録する仕組みへ
• 査定で値段が付いた商品タイトルの確認がサイト上でできるようになった

です。

試しに買い取りを依頼してみたところ、査定価格が一覧で見られるようになったのかと思いきや

買取価格のついた本が一覧で出るだけ。

個別の買い取り価格はあいかわらず提示されません。システムが新しくなっても買い取り価格は「総額表示のまま」です。

【追記おしまい】

振込までの日数

今回、買取にかかった日数は

• 5月1日：ネットから買取申し込み。
• 5月2日：ヤマトの無料集荷。
• 5月4日：査定金額の結果がメールで届いていた。
• 5月7日：査定結果のメールが来ないなあと迷惑メールフォルダを見たらメールが届いているのを発見。メールに返信して買取金額を承諾。
• 5月8日：振込しましたメール受信。入金は翌日になるとのこと。
• 5月9日：申し込み時に記載した銀行口座に振込あり。

でした。

迷惑メールフォルダにメールが行ってなければ、もっと短い日数で集荷から振込までいけたはずです。

【追記】

2回目の買取にかかった日数は

• 9月2日：ネットから買取申し込み。
• 9月3日：ヤマトの無料集荷。
• 9月4日：バリューブックスへ到着したと連絡。
• 9月5日：査定金額の結果がメールで届く。システムが更新されマイページから承認する流れに。承認ありがとうございますメールを受信。
• 9月6日：銀行口座に振込あり。
• 9月8日：振込完了しましたメール受信。

でした。

【追記おしまい】

ちなみに、買取価格に納得出来ず「やっぱり返してくれ」ってなった場合についてまとめておくと

• 値段がつかなかった本の返送に関しては送料400円をユーザーが負担すれば返送可能。査定金額から400円引かれる。
• すべての本を返送希望なら返送料はバリューブックスが負担。こちらの負担は0円。
• この本は買取でこの本は返してくれと個別返送はやってない。「全て買取」か「全て返送」の二択。

です。サポートに電話して聞いた時に確認取りました。

値段がつかなかった本を引き取って社会施設などに贈る活動もしているようで、捨てるつもりだった本がどこかで活用される道が拓けるのであれば、それはそれで本好きとしては喜ばしいことです。

さいごにまとめ

手持ちの本を高く処分したいなら個人取引のオークションが一番いいのはわかりきっています。

貧乏性なので、いちおうメルカリで本1冊ごとの過去の落札価格をチェックしましたけど。

オークションで1冊ずつバラして売るための写真撮影や全部一気に売れないので売り切るまでにかかる時間、落札者への応対、発送する手間、差し引かれる手数料。それに対して、最終的な手元に残るお金は少ないにせよ買取業者だったらまとめて全部任せて短期間で済む。

どっちが楽か？を天秤にかけて考えることになります。洋服とかならまだしも、書籍だと希少本以外は単価が低いので、オークションの労力ばかりかかって実入りがイマイチのような。

今回初めて使ってみたけど、引っ越し前の慌ただしいタイミングで全部まとめて引き受けてくれたバリューブックスの迅速な集荷ときちんと値段をつけてくれた査定に不満はありません。メール連絡も丁寧で問題なく、電話でいろいろ聞いても親切に答えてくれましたし。

漫画や文庫本は不得意だけどビジネス書や専門書が「得意なジャンル」だと自ら言い切っており、こちらの手間と時間がかからない省エネ優先でビジネス書を大量処分したいのであれば、買取業者の選択肢のひとつには十分なりえます。

電子書籍の購入比率が圧倒的に増えたとはいえ、懲りずに紙の本はこれからも買い続けるはず。また買取を依頼する時はバリューブックスにお願いしようと思ってます。

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