WiMAXの3日10GB速度制限って実際どうなの?回線の重さや解除方法など傾向と対策を整理しておく
2017/12/28
WiMAX(ワイマックス)、正確にはWiMAX2+ですが呼び方なんぞ些細な問題なので以降、WiMAXで通します。
WiMAXは「3日間で10GB以上の通信を行う」と「速度制限がかかる」仕組みがあります。
これは文句を言ってもどうにもならない。
WiMAX7年目のユーザーのわたくし、ずーっとWiMAXの仕様やルールの変化を見てきておりますが、あれこれ試行錯誤した結果から言えるのは「文句言ってもUQは聞いてくれないので速度制限とうまく共存するしかない」「嫌なら固定回線へ」です。
ではどうやれば通信速度とうまく共存できるのか。
- WiMAXの速度制限はどういう経緯で制限がかかるようになったの?
- 速度制限はどういうルールなの?
- WiMAXの速度制限ってどういった傾向があるの?
- 速度制限下でどのくらい使えるの?
速度制限の基本と実際のところを、自らの経験からわかりやすく整理しておきます。
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WiMAXの3日10GB制限の基礎知識
まず、3日10GB制限の基礎知識をおさらいします。
速度制限がかかるようになった経緯
現在のWiMAX2+という規格がでてくるその前、無印WiMAX時代は「使い放題のモバイル回線」「固定回線代わりもなる」というのがWiMAXの売りでした。
WiMAX2+と区別するために、昔の規格はネット上で「無印WiMAX」と呼ばれている。呼ばれていた、の過去形か。今やみんな忘れているけど。
その後、新技術で通信速度を上げたWiMAX2+が出てきて、こちらも当初は無制限で使えたのですが・・・。2015年、ある一定の通信量を超えたら速度制限がかかるルールが発動。
使い放題をいいことに回線を専有するヘビーユーザーに制限をかけることで、ユーザーそれぞれ平等に回線を使おうというのが速度制限導入の前提です。
- 当初は2015年4月1日から、速度制限がスタートという話でしたが制限は実行されずじまい。理由は誰も知らない。
- 2015年5月29日から:UQより何の予告もないまま「3日で3GB以上」の通信を行ったユーザーに対してダウンロードもアップロードも速度を「1Mbps」に抑える速度制限が開始。「3日で3GB以上使った?使ってない?」のみが判断基準。超えた翌日の昼過ぎ13時に規制がかかり、3日3GBを下回った日の翌日13時に解除されるルール。
- 2015年6月:予告もルール説明も一切ないままいきなり5月29日より速度制限が開始されたこと、広告には引き続き「使い放題」とうたっているなど、ユーザーが総務省や消費者庁に苦情を申し立てる動きがあり、それがニュースに取り上げられて炎上。
- 2015年7月14日から:3日で3GB以上の通信を行ったユーザーに対して1Mbpsの速度制限を「5~6Mbps前後」の速度に緩和するとUQが公式発表。これでユーザーの怒りのガス抜きをし、UQが火消しにかかる。即日、「5Mbps」に制限時の速度が変更となる。
- その後は速度制限時の速度「5Mbps」が「4Mbps」に落とされたり、逆に「6Mbps」に上がったり。ちょこちょこと変更が入る。
- 2017年2月2日~:速度制限の条件を大きく緩和するとUQが発表。3日3GBが「3日で10GB」へ。規制時間が13時~翌日13時の24時間だったのが、「18時~翌2時の8時間」に。ただし、制限時の速度は5Mbpsから「1Mbps」に。
で、今は以下のルールが適用となります。
3日10GB制限ルールをおさらいしてみよう
2017年2月からの通信量オーバーの際の速度制限ルールは以下の通りです。
- 直近3日間でダウンロード、アップロード合わせて10GB以上使うと速度制限がかかる。
- 3日間で10GBを超えた日の翌日18時~翌2時までの約8時間、速度制限がかかる。10GB超えた瞬間からすぐにかかるわけではない。
- 速度制限がかかった状態の通信速度はアップロード、ダウンロードともに1Mbps。
引用 WiMAX(So-net)「通信速度制限についてもっと知りたい」
これだけ聞いても、よくわからないですよね。
「10GBってすぐいくの?」「1Mbpsって使えるの?使えないの?」「8時間経った後の制限解除ってどんな感じ?」の実際のところは下で検証します。
その前に。
その他の知っておきたい速度制限
その他にも2つ、速度制限がかかる場合があります。
回避方法と合わせて説明しておきます。
その1:UQ Flatツープラスの速度制限
WiMAX2+の料金プランには2種類が存在します。
- 月7GBの通信量の上限が決まっている「UQ Flatツープラス」
- 通信量の上限のない「UQ Flatツープラスギガ放題」
7GB上限ありだと、7GBに達した場合は回線速度が「128kbps」というかなり絞られた低速になります。
128kbpとは、水道に例えるなら蛇口全開でドバドバと水が流れる状態から、蛇口をキュッと絞って水滴ポタポタ垂れるか垂れないかレベルまで絞られます。上で書いた3日10GBの速度制限1Mbpsの約10分の1の速度です。めっちゃ遅い。
これ、メールやTwitter、LINEなど文字のやり取りだけならかろうじて使えますが、画像の読み込みは時間がかかってだめ、動画なんてまず観られません。イライラすること必至。
WiMAXで映画は観ず、たまにYouTubeを観る、そんなライトな我が家の使い方でも手元で計測したところ「1ヶ月あたり30GB前後」は使う。多い月は50~60GB。7GBでは明らかに足りない。
安さは魅力ですが、価格差はたかが知れています。7GBプランを選択するのはやめたほうが。上限のない「ギガ放題」のプランをおすすめします。
ギガ放題を申し込むことにより月あたりの使用量の上限は撤廃されるので、月あたりの使用量を気にする必要はありません。
その2:LTEオプションの速度制限
WiMAXを提供しているUQは、携帯電話会社auのグループ会社です。だからWiMAXのSIMカードもauの表記。
WiMAXのオプションでauのLTE回線(スマホで使っているネット回線のこと)が使えるサービスがあります。
LTEオプション利用料(1,005円/月)を払えば「WiMAXのエリア圏外で自動的にauのLTE網を使えます」「LTE回線でのデータ通信量は月7GBが上限です」というルール。
また、契約で3年プランを選択すると「LTEオプション利用料が無料になる」といった特典があります。
これ、要注意。でっかい罠があります。
ハイスピードプラスエリアモード(WiMAX回線とLTE回線が両方使えるモード)でLTEの1ヶ月のデータ通信量7GBをオーバーすると、128kbpsの速度制限がかかります。上で説明した水滴ポタポタになります。これはキツイ。
じゃあそこからLTE回線を使わないハイスピードモード(WiMAX回線のみ)のモードに切り替えてWiMAXを使えばいいじゃん、と思った方。
賢いです。
でも残念なお知らせがあります。
WiMAX回線とLTE回線が両方使えるモードでLTE回線の上限に達して速度制限を食らうと、WiMAX回線のみのモードでももれなくずーっと速度制限がかかります。
いいですか、ここ重要なところなのでもう一度言います。その月末まで、WiMAX回線の使用にも速度制限がかかりっぱなしになります。ギガ放題にしても関係なく、128kbpsの通信制限がかかります。
WiMAX、もはや使いものにならなりません。翌月1日になってようやく解除されるルールです。
なので、個人的に「ハイスピードプラスエリアモード」のLTEオプションそのものがリスクがあり使いにくいため、契約する価値を一切感じません。
きちんとLTE使用量の月7GBを自ら管理できるユーザーにはいいかもしれません。しかし「知らない間に上限に達する」というリスクはずっと潜在的に抱えたまま。
結論を言います。LTEのオプション契約自体、おすすめしません。
LTEのオプションがおまけでついてくる3年契約もおすすめしません。3年でルーターの性能は確実に上がります。3年で通信速度も上がっていきますが、ルーターが対応していないとその恩恵を受けられせん。
3年縛り、かなり危険です。2年契約を推奨します。
WiMAXの速度制限、実際のところどうなの?
3日10GBの通信量をオーバーした時の速度制限、実際のところどうなのかをお伝えします。
- 疑問1:3日10GBってどれくらいで突破してしまうのか?
- 疑問2:通信量の効率的な管理方法はないの?
- 疑問3:制限時の速度1Mbpsって遅い?どのくらい使える?
- 疑問4:制限時間の20時~翌2時ってどうやって解除されるの?
疑問1:10GBってどのくらい使ったら突破してしまうの?
以前の3日3GBで制限かかっていたところから、「3日で10GB」に緩和されたのはわかった。
3日でどのくらいの通信量になるのか?これはそれぞれのユーザーによるのでなんともですが、我が家の場合。
- 日中:仕事で持ち歩き、出先で延べ2~3時間くらい接続。ネットで調べ物やメールの送受信など。パソコン、スマホ、手持ちのデバイスは全部接続。
- 夜:自宅で固定回線代わり。ラジコでラジオを聴きながら、このブログを書く。ネットショッピングをする。調べ物をする。
こんな程度だと1日1GBも使いません。0.8GBとか。
かなりライトな使い方だと、3日でだいたい3GBくらいのデータ通信量。ちなみにうちは引っ越しが多く、固定回線を引かずにWiMAX1本でずっと来ています。裏でスマホのデータ通信もしてるし、プリンターのWi-Fi接続なども接続しています。
うちの妻はあまりネットをやらない人で、スマホのデータSIM3GBプランで1ヶ月全部まかなえるレベル。これもWiMAX1本でなんとかなっている理由のひとつ。息子がネットをガンガンやりだしたらWiMAXだけではカバーできないと思う。
「3日で10GB」って、ダウンロードだけでなくこちらからのメール送信などアップロードの通信も合わせての「3日で10GB」なのでここは要注意です。
あと意外とスマホのOSのアップデートに通信量がかかります。iOSのバージョン上げたら2GBくらいすぐに消費します。
そしてやはり、動画を見ると確実に跳ね上がる。
YouTube
- 標準画質:1分あたり3.5MBくらい。1時間で210MB=0.2GBなので5時間見て1GB。ちょっと動画見るくらいならたいしたことない。
- 超高画質:1分あたり23MBなので1時間で1.4GB。けっこう通信容量を食い始めます。
Amazonプライムビデオにて2時間の映画を見る
- 画質「良い」:0.8GB
- 画質「ベター」:2.8GB
- 画質「ベスト」:13.7GB
プライムビデオで1本23分のドラマ10話分(合計3時間50分)をパソコンでまとめて「ベター」の画質で見て、手元で計測したら6GBちょっと。
Hulu、Netflixといったオンデマンドで映画を毎日見るのであればWiMAXでの運用は厳しいと言わざるをえません。
我が家もたまにドカッと動画見て制限を食らいますが、「ああこれは制限いっちゃったな」と使っていれば感覚でわかるようになります。
長時間動画を見る習慣がないライトなユーザーなら「3日10GB」で足りる計算になる。現に我が家はほぼ足りています。
疑問2:通信量の効率的な管理方法はないの?
今、どのくらいデータを使った状況なのか?を確認する方法をあれこれ検証してみます。
現状、4つの確認方法があります。
方法1:ルーターの種類によっては液晶画面で現在の使用量の確認が可能。
方法2:ホームルータータイプには液晶がついてないのでルーターの管理画面にアクセスしてログインすることで確認できる。
方法3:各プロバイダのマイページにて使用量の確認が可能。これは自分が契約しているSo-netの管理画面です。
方法4:UQ本家が提供しているデータ量通知サービス。上は全部ユーザー自ら情報を取りに行かないといけないのですが、方法4はユーザーが待ちの姿勢で情報を得られます。
この方法、あまり知られていない。
識別用番号(電話番号がWiMAXにも付与されます)と、SIMカードに書いてあるICCIDを入力してメールアドレスを登録しておくと、そのメールアドレス宛に通信速度制限がかかる当日の13時以降にメールが届くサービスです。僕の場合はいつも15時過ぎにメールが来る。
登録画面。
こういうメールが届きます。
一番手っ取り早いのはルータ本体の液晶画面の確認。
念のため、4のデータ量通知サービスにも申し込んでおくといいかもしれません。
疑問3:制限時の速度1Mbpsって遅い?どのくらい使える?
お住まいの環境や端末のスペックなどにも依存しますが、制限時はダウンロード、アップロードともに速度が1Mbpsに張り付きます。
この1Mbpsの速度、どのくらい使えるのか。体感的なもの含みますが
- LINE、Twitter、メール送受信など文字のやり取りはまったく問題ない。
- LINEの音声通話もできる。
- ネット閲覧は、ワンテンポ遅くなるためサクサクとは言いがたい見るには見られる。
- 写真や広告の多いサイトは読み込みに時間がかかってちょっとイライラ。
- YouTubeの標準画質が視聴可能だとUQは公式に言っているが微妙なライン。動画によっては固まる。標準画質も360pから240pに落とせば固まることなくいけるが、昨今の高画質に慣れた目には荒くて見られたものではない。
これは許容範囲がユーザーそれぞれの感覚に依存するのですが。まとめると速度1Mbps、「テキストを見るだけならOK」「画像や動画はつらい」です。
将来的な制限時の速度アップは期待しています。
疑問4:制限時間の18時~翌2時ってどうやって解除されるの?
速度制限は3日間で10GBを超えた日の「翌日の18時~翌2時までの約8時間かかる」ルールです。
スマホのデータ通信容量全部使い切ってかかる速度制限は超えた後、即座にその場で発動されますが、WiMAXは10GB超えた瞬間からすぐに制限がかかるわけではない。
18時~翌2時、多くのユーザーがネットを使う混雑帯であり、ここの時間帯の使用に制限をかけるルール。確か、ヤフー公式の混雑時間帯のピークが23時前後だと聞いたことがあります。
で、UQ自ら制限がかかる時間は「18時頃~翌2時頃」と言っており、この「頃」がくせもの。
だいたい18時を過ぎれば勝手に速度制限が始まりますし、速度制限が始まらないなら始まらないほうがいいのでここは問題になりません。
終わりの2時以降に解除されないパターンがあります。現にいつも自分はこれにハマる。
2時前より継続して利用している通信については、2時以降も最大で6時頃まで速度制限が継続することがあります。
この場合、一旦、セッションを切断すると速度制限が解除されます。
通信が続くと2時以降も速度制限が継続するパターンがあります。「あれ?2時を過ぎたのに元に戻らない。おかしいな」となる。
現に2時を過ぎても速度制限がかかったままの時。
これを回避する方法は、「2時を過ぎたらルーターをいったん電源落として通信を切り、再起動させる」
それでかかっていた速度制限が解除され、元の速度に戻ります。
再起動の一手間がめんどくさいですが、規制が解除されない時、これが一番手っ取り早い方法だと覚えて帰ってください。
さいごにまとめ
苦労なんてしないほうがいいのは当たり前。動画を見るなど通信量が多い、通信量をいちいち気にするのが面倒なのであれば、固定回線のほうがおすすめです。
僕は、基本的に都内と出張先の地方都市での使用で常にWiMAXの圏内ですし、持ち運びが可能なモバイル回線で使い勝手がいい、替わりになるサービスが存在しない、という状況からWiMAXを最終的に選択しています。
自分がWiMAXを使い始めた7年前と比較すると、ルーターのバッテリーの持ちも長くなり、通信速度も早くなり、あんなに繋がらなかった通信環境も改善している。
そりゃあ、通信量を気にかけたり、速度制限を食らったりがなくなるに越したことはないですが、慣れれば「そういうものだからしょうがない」と受け入れられるレベルで共存は難しいことではありません。
コストとサービス内容とユーザーの使い勝手、このあたりのバランスの感じ方は金銭感覚含めてユーザーそれぞれでしょうけど。
日中の使用を手厚くして淡々と日々使い続けることで、契約時にもらえるキャシュバックで相殺した実質のコストを計算すると月3,000円代で運用できるモバイル回線は「妥当なサービス」だと感じています。
WiMAXの「データ通信3日10GBオーバーによる速度制限」の実際のところはどうなの?が、このエントリーによって少しイメージできましたら幸いです。
※ WiMAXを契約するなら「So-net(ソネット)」が現状、一番バランスがいいと思います。自分も2017年4月より新たに契約中。毎日使ってますけど何ら問題なし。
関連記事 So-netのWiMAXを契約した先にあるものとは?それは評判通りの安心感とバランスが取れたサービス。
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