【ビーンブーツ初心者向け】買う前に知っておきたいサイズ選びのコツやお手入れ方法など。L.L.Beanの中の人が詳しく教えてくれたのでまとめておく。
2019/08/01
毎度お騒がせしております。L.L.Bean(エルエルビーン)非公認ファンブログ「子育てパパがなにかやらかしています。」でございます。
わたくし、もともとはL.L.Beanのトートバッグ、しかもアメリカ製のボートアンドトートしか興味がなかったのですが。
最近は、L.L.Beanのトートなら中国製でもベトナム製でも全部追っかけるように。使わず嫌いはいけない。使ってみるとこれはこれで良い商品です。
そして、L.L.Beanのアイコン的存在「ビーンブーツ」も追いかけだすとなると、もはや収拾つかなくなるような。
追いかけないよ、絶対に。自制心。自制心。
実は昔、ビーンブーツを履いていた時期があったのですがしばらく放置してたら下駄箱でカビさせてしまい妻に問答無用で捨てられました。ああ。
さて、今回はビーンブーツを買うか買わぬか迷っている初心者ユーザー向けのエントリー。
購入する前におそらく悩むであろう疑問や不安なポイント
- ハーフサイズがないけどサイズの選び方はどうすればいいの?
- 売れ筋はどの色なの?
- 筒部分の高さ(ハイト)で売れているのは6インチ?8インチ?どっち?
- 靴擦れ対策や蒸れの対策はどうしたらいいの?
- メンテナンスは大変? やり方はどうしたいいの?
L.L.Beanのイベントに潜入した時にL.L.Beanの偉い人(店舗シニアマネージャーさん)を捕まえ、靴おたく、ブーツおたくのわたくしめがあれこれと聞いてまいりました。
購入前に知ってるとちょっと役に立つかもしれない「ビーンブーツデビューのための基礎知識」を整理しておきます。
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【基礎知識】30秒でわかるビーンブーツとは?
ビーンブーツの歴史うんぬんは公式サイトに書いてあるし、公式動画(2分20秒)もあります。
代理でビーンブーツの豆知識をざっとまとめておくと
- ビーンブーツは1912年に発売。100年以上前からある商品。
- L.L.Beanといえばトートバッグが有名だがトートは1944年の発売なので、ビーンブーツ先輩の方が誕生が32年早い。
- L.L.Bean自体がビーンブーツから始まった会社。
- 水を吸わないための靴として「ゴムの底」+「革の上部」という仕組みをL.L.Bean創始者が開発。
- 今でもアメリカのメイン州の自社工場で製造。アメリカ人がガシガシと大雑把に作っててちょっと雑。日本製の緻密さを期待したらいけない。
- 履きまくってソールが減ったらソール部分だけの修理が可能。
- アメリカではアヒルの口みたいな形から「ダックブーツ」という愛称で呼ばれている。通っぽくダックブーツと言うと日本では浸透しておらず「なにそれ?」となる確率100%
100年超えの歴史を含めて好きになるとL.L.Beanってかなりヤバいブランドです。何言ってるかわかんないかもしれないですけど。
参考までに発売当初の1920年代からここ最近の2000年代まで、年代別のビーンブーツの写真をずらっと並べておきます。マニア垂涎。
でもって、現行で今売っているモデル。
100年を超えてもずっと変わらぬデザイン。それがビーンブーツなのです。
ビーンブーツの疑問をひとつずつ潰していこう
ビーンブーツを買うか買わぬかお悩み中のユーザーにとって、不安だったり疑問だったりするであろうポイントをL.L.Beanの中の人に聞いてきたのでひとつずつ答えていきます。
掲載写真は、L.L.Bean吉祥寺店にて2017年4月に行われたイベント時に許可をいただいて撮影したものです。店舗シニアマネージャーさんにいろいろ聞いたのもその時。
関連記事 茶色い靴?ローラースケート?謎の車の正体は?→ 説明しよう。これはL.L.Beanのビーンブーツ公式キャンペーンカーです。
えっ?記事にするのが遅い?
おっしゃる通りです。すっかりネタにするの忘れてて最近ビーンブーツを履いた人を街で見かけて思い出しました。スミマセン今から書きまーす。
- 疑問1:ビーンブーツの売れ筋は?
- 疑問2:サイズ感とサイズ選びのコツは?
- 疑問3:蒸れ対策は?
- 疑問4:靴擦れ(靴ずれ)対策は?
- 疑問5:雪だと滑りやすい?
- 疑問6:メンテナンス方法は?
これらの疑問に答えてまいります。
【疑問1】ビーンブーツの売れ筋は?
ビーンブーツの売れ筋はなんだろう?
迷うことなくスタンダードな定番の色。
- カラー:tan/brown(タン/ブラウン)
- ハイト(筒部分の高さ):6インチ
のモデルが一番売れているそう。
これです。左が6インチモデル、右が8インチモデルです。
参考 L.L.Bean公式通販サイト「ビーンブーツ6インチ(メンズ)」
参考 L.L.Bean公式通販サイト「ビーンブーツ6インチ(レディース)」
ビーンブーツをモチーフにした広告塔「ブーツモービル」はビーンブーツの6インチtan/brownがもとになってます。
【疑問2】サイズ感とサイズ選びのコツは?
サイズ、これはユーザーの足のサイズや足型ぞれぞれなのでなんともです。
困った時はL.L.Beanのカスタマーサポートに問い合わせると親身になって相談にのってくれます。
何度もうちのブログで言っていて、何度でも繰り返して言うけど。L.L.Beanのカスタマーサポートの親身な対応っぷりは、数あるネットショップや小売店のサポートの中でも天下一品です(太鼓判)。だからなんでも聞いてみてください。現に自分もよく聞いています。
とはいえなんでもかんでもサポートに聞く前に、ビーンブーツのサイズ選びでちょっと頭の片隅においておいたほうがいいかなと思うポイントは以下の通り。
- ビーンブーツのサイズはUS(アメリカ)のインチ表示。一般的なUSサイズで考えるとちょっと大きい。これは自分も履きながら感じていた。なので1インチ引くくらいがちょうどいいとのこと。例えば通常がUSサイズ8のユーザーだったら1引いて「7」、USサイズ9のユーザーだったら1引いて「8」あたりがしっくりくる感じ。
- サイズはハーフサイズが最初から存在しない。例えば7インチの次は8インチと1インチ刻み。0.5インチ(0.5センチ)刻みではない。大きめを選ぶよりは「下のサイズに寄せる」のが基本。これはマネージャーさんがその場にいた店員さんに「サイズって下に寄せてるよね?」と聞いたら「下に寄せる。それでお客様へ勧めている」と即答してました。
- メンズのサイズは7インチからですが、レディースは6インチからあります。フィッティングでしっくりこなかったら男性でもレディースモデルを検討してみるのおすすめ。こういうパターンのユーザー、実は多いとのこと。
基本は「マイサイズから1インチ引く」「下のサイズに寄せる」
ここから微調整。
試着できればベストだけど全員が全員、店舗へ行けるわけでもなく「困ったらサポートに確認してね」とのことです。サイズが合わなかった場合の返品制度もありますし。
【疑問3】蒸れ対策は?
靴の中の蒸れも個人の体質に依存する問題。なのでなんとも言えません。
以前「グレーの靴下で履いたら靴下が真っ黒になった」とクレームが来たらしいんだけど、これはなあ。ブーツ履くのに薄い色の靴下は色移りする可能性が高く、さすがに避けたほうがいいんじゃないの?これって常識じゃないの?と思う。
確かにビーンブーツは蒸れる。けど他のブーツ(レッドウィングなど)も蒸れるし、ビーンブーツの蒸れ方が特にひどいとは感じません。
別にゴム底だから通気性が悪くて蒸れやすいというわけでもないと思う。一般的なブーツのソールで採用されているビブラムソールでも違いはない。
ビーンブーツは公式サイト上でも「厚めの靴下で合わせるように」と書いてあります。
蒸れの解消としても「厚めの靴下」による汗の吸収がひとつの対策方法にはなる。なんなら「普通の靴下を二重にする」でもいいとのこと。
これは「寒さ対策」にもつながります。
ビーンブーツはソールがゴムですが、ゴムゆえに熱伝導率が高く、冬の地面のひんやりがダイレクトに来てちょっと足元が冷える時があります。これは厚めの靴下を採用することで回避できます。
【疑問4】靴擦れ対策は?
L.L.Bean公式通販サイトの購入者レビューで「ビーンブーツは靴擦れ(くつずれ)する」って書いている人がいて、個人的にビーンブーツで靴擦れしたことがないので「えっ?そうなの?」となり、詳しく聞いてみた。
マネージャーさんいわく、実際に足の甲とくるぶしが靴擦れするユーザーは一定数いるそう。
甲は靴が馴染むまでの問題が多く、くるぶしに関してはゴムの底と革の上部との接続部分がちょうどくるぶしにあたってしまうユーザーがいる。ビーンブーツの構造上からくるものであり、どうしようもない。
対策としてはこれも「厚めの靴下でクッションさせて回避してください」とのこと。
あとは「ちょっと緩めの靴のサイズを選択する」って逃げ道もあるけど、あんまり推奨できない。
使っているうちに馴染んでゆとりが出てくるのが靴だし、最初から「緩めのサイズ」の選択はまずおすすめできない。しかも革のブーツ。ブーツおたくの経験から語っても、伸びる可能性がある革のブーツで最初から緩めを選ぶ選択肢はない。
【疑問5】雪だと滑りやすい?
同じく購入者レビューで「ビーンブーツは雪で滑る」と書いてるユーザーがいて、「滑るんですか?」と直球で質問したらわかりやすく教えてくれました。
ポイントをまとめると
- ビーンブーツのソール部分の模様は「チェーンソール」と呼ぶ。
- チェーンソールは、ドロや水のハケが良い仕組み。
- ビーンブーツが作られたアメリカ メイン州の「湿地帯」に対応していたのが起源。
- 機能としてはグリップを重視。
- 雪の環境だと、踏み固められているような圧雪状態ならグリップは効く。ぐちゃぐちゃの雪は滑る。ぐちゃぐちゃの時は要注意。
ビーンブーツ自体が湿地帯仕様でキャンプなどには最適。
雪でも問題ないが、溶けた雪には弱い。っていうか、雪の時はスニーカーもブーツも、何履いても滑るのは滑ります。滑り止めばっちりの溝の深いソールじゃないと、です。
【疑問6】メンテンナンス方法は?
最後の疑問。ビーンブーツのメンテナンス方法は?
元々がアウトドア向けアイテムなので、さして気を使う必要はありません。キレイに履く靴じゃないし、そんなにヤワじゃない。
L.L.Bean公式動画にあるメンテナンス方法を書き起こすと
- まず紐をはずす。
- ブラシや布で土や汚れを落とす。湿らせた布で拭く。
- 乾かす。
- クリームを塗る。
以上。
20年くらい試行錯誤し、ブーツおたくの自分がたどりついたブーツのメンテナンス方法は「ぞうきんクリーニング」です。基本は上と同じ。
- 紐をはずす。この一手間がめんどくさいのはよくわかるけど、ホコリやゴミが溜まってるからやったほうがいい。
- 濡らして堅く絞った古いタオルでガシガシ拭く。最初は靴の中から最後はソールの裏まで。革が水を含んでも問題ない。汚れたタオルはそのまま捨てる。
- 乾かす。1時間~、僕はだいたい一晩放置。
- ブーツクリームを塗り込む。ブーツなら種類はミンクオイルでもブーツクリームでもなんでもいい。靴マニアはミンクオイルが体温で溶けるから指で直接塗り込む。手がくさくなるでしょって言ったら手術用の使い捨てゴム手袋を推奨する上級者がいた。僕はクリームをべっとりつけて豚毛の硬いブラシでわしゃわしゃと広げてます。
- クリーム入れて浸透を待つ。時間に余裕あれば半日から一晩放置。急ぎならそのまま次の工程6へ。待ち時間に根拠はない。経験と「なんとなく」
- 乾いたタオルで余計なクリームを拭き取り、磨いておしまい。ツヤを出したければ服を買ったときに包まれている不織布をとっておいて最後にそれで磨く。使い古しのストッキングでも良い。
です。
履く頻度によるけど、だいたいこれを1~2ヶ月に1回くらいやってます。
ブーツは「道具」です。メンテナンスを神経質に考えても意味ないから「適当でいい」ってのが持論。ブーツをカビさせたやつが偉そうに何言ってんだって話ですけど。
風通しのいいところに保管しないと靴はすぐカビます。レザー専用の洗剤使って丸洗いすれば復活も可能ですが、一度カビさせると再度カビやすくなるのでその後のメンテナンスが大変です。
話を元に戻します。
もうひとつメンテナンスで事前に知っておきたいポイントは、ビーンブーツはリペア(修理)が可能です。
そして、ソールが減っても安易に捨てるべからず。
ソールが削れた場合、ソールまるごと取り替えの修理を受け付けています。料金は9,500円+税。アメリカの修理工場へ送るため、預ける期間は最大3ヶ月、平均1ヶ月程度とのこと。
特殊形状なので街の靴修理屋やブーツ修理専門店でビーンブーツを修理できるところはないはず。聞いたことないし、そもそも部品のソールが出回っていないと思います。
ガチガチの硬いソールではないので削れや減りは早めな印象ですが、長く愛用できるようにきちんとメーカーの修理体制が用意されているのはユーザーとしても安心です。
【おまけの情報】ビーンブーツの作り方
ビーンブーツの作り方を3つの工程にざっとまとめると
工程その1:レザーをカットする。
工程その2:レザーの厚みをそろえる。
工程その3:縫う。
以上です。
こう見ると簡単そうですが、長い歴史をもとにアメリカで熟年の職人がひとつずつ丁寧に作っているわけです。クラフトマンシップ、日本語で言うと「ものづくりの魂」がひしひしと伝わる商品ではあります。
さいごにまとめ
ブーツにしては軽くて歩きやすいほうですが(ブーツは振り子の作用で重いのが歩きやすい人もいる)、僕のビーンブーツに対する履き心地の評価は「可もなく不可もなくごく普通」です。
ニューバランス1000番台のスニーカーのような履き心地の感動はない。まあ比べるなという話。長く履いて足に馴染めばまあまあです。
履いていて思うのはゴムソールによる「水への強さ」、つまり水たまりだろうがぬかるみだろうが突撃可能で気を使わずガシガシ履いてなんぼ。雑に扱って問題ないのがビーンブーツの一番の強みだと感じます。機能重視のまさに「道具」
カラーも豊富ですし、女子ウケしそうなラインナップも近年揃ってます。セレクトショップの別注モデルなどもあります。
実はビーンブーツって、パパ・ママの子ども付き添い公園靴として最強なんではないか?と長年思っており、利用スタイルを唐突にご提案したく。
雨上がりの公園や子どもの砂遊び泥遊びに付き合って足元がドロドロになってもまったく問題ない。公園の水道の水はねウエルカム。頑丈で長く履けるし主張しすぎないデザイン。カジュアルな服装ならだいたい合うので洋服を選ばない。メンテナンスも気を遣う必要がない。アウトドア好きなら利用シーンはさらに無限に広がる。
候補として覚えておいて損はないと思うのですが、いかがでしょう。
100年以上もユーザーに愛され続ける定番品はダテじゃない。
モノ好きでずっといろんなもん追いかけてきましたが、最近「定番品が多くの人に愛される理由」に気づくことが多い。ビーンブーツもそう。
定番品の「良さ」、L.L.Beanの「良さ」を感じてみたいのであれば、ビーンブーツから入って実際に体感してみるの、おもしろいかもしれません。
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